昨年度に続き、新型コロナウイルス感染拡大状況で中止していたカナダ国内での資料調査を再開することと、合わせて、北米西海岸地域の日系移民の動向について、カナダに近い米国シアトル市の移民コミュニティとの関連を調査するため、2023年9月5日から19日の期間、カナダ・バンクーバー市内および米国・シアトル市の関連施設において、資料調査と研究打ち合わせ等を行った。 主な調査・訪問先は、バンクーバーにおいては、バンクーバー市立図書館(資料調査)、国立日系カナダ人博物館(資料収集および古文書保存担当者との研究打ち合わせ)、シアトルにおいては、ウィングルーク博物館および旧日本町(現地調査)、ワシントン大学図書館(資料調査および日本語文学・移民研究専門家との研究打ち合わせ)、ワシントン州日本文化会館(資料調査、日系紙『北米時事』関係者への聞き取り、移民資料・文書保存担当者への聞き取り)などである。 なお、研究期間の当初に計画していたカナダでのワークショップ開催については、現地関係者や施設との調整がつかず見送らざるを得ないこととなった。しかしながら、上記の調査を経て、本研究課題期間終了後も継続して研究を進めるための端緒を得ることができた。 一方、『大陸日報』掲載記事からの文芸関連記事の分析については、第一次世界大戦後の時期を中心に文芸関連記事の抽出とまとめは行ったものの、それらに対する十分な分析・考察を進めることができず、成果発表までは至らなかった。
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