研究課題/領域番号 |
17K02416
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
奥村 和美 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (80329903)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 萬葉集 / 長歌 / 藤原定家 / 受容 / 書儀・書簡 |
研究実績の概要 |
①研究業績「『萬葉集』長歌の受容――藤原定家の場合――」(『萬葉集研究』第三十八集 塙書房 平成30年12月 241-280頁)では、平安時代における『萬葉集』長歌の受容の実態については、不明な点が多かったが、藤原定家における長歌にもとづく本歌取りのしかたを通して考察し、『萬葉集』の漢字本文をも視野に入れた歌学的興味による長歌読解のあることを考察した。 ②講演「越の国の歌だより―書儀・書簡と家持の和歌―」(高岡市万葉歴史館主催 2018高岡万葉セミナー「大伴家持歌をよむⅡ」 於高岡市万葉歴史館 平成30年9月8日 )では、越中の家持から都の大伴坂上郎女にあてた歌の、特に待遇表現の中に、中国の書儀・書簡に基づく表現の見えることを指摘し、同じく中国の書儀・書簡の影響が見られる大伴池主との贈答との差について論じた。 ③研究報告「『日本霊異記』における書儀・書簡的表現の利用」(・科研費(C)「日本古代における詩文表現の展開に関する基礎的研究」(代表:白井伊津子)・奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所一般共同研究「空海の漢文書簡にみられる書儀および正倉院文書表現の受容実態の解明―平安前期の書簡表現との比較を通して-」の合同研究会 於日本女子大学 平成31年3月6日)では「『日本霊異記』の僧侶間の改まった会話文の中に、中国の書儀・書簡を利用した表現のあることを指摘した。今後、日本での書儀・書簡的表現の受容実態を考える上で、大きな示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の計画Ⅰ【中国詩文からの摂取についての検討】を行うとともに、平成30年度計画Ⅱ【大伴池主との長歌作品との比較対照】を行う上で重要な、書儀・書簡の利用についての基礎的考察を行うことができた(②③)。さらに、平成31年度の計画Ⅲ【平安朝以降における長歌受容の検討】については一定の成果を見た(①)。以上のことから、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
計画Ⅲ【平安朝以降における長歌受容の検討】についてはすでに一定の成果を得、公表もしたので、計画Ⅰ【中国詩文からの摂取についての検討】及び計画Ⅱ【大伴池主との長歌作品との比較対照】を家持作品を中心に、継続して幅広く行う。特に、初学書や書儀・書簡の受容を中心に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)パソコンの購入を計画していたが、これまで研究室で使用していたもので代用できたため。また、大部の中国書籍購入を計画したが、想定より安価で購入できたため。 (使用計画)関東での学会で研究発表をする予定なので、その旅費に充当すること、及び、引き続き関連書籍の購入に充当することを計画している。
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