研究課題
基盤研究(C)
鎌倉時代後期から室町時代に成立した歌論や連歌論に現れる、日本語の音韻に関する観点からの叙述や、韻学を利用した考え方にもとづく叙述に着目して考察した。その考察を通して、和歌や連歌について論じた言説を、韻学史という観点からとらえ直し、文学と日本語学の方法を架橋する視座から、日本の中世後期の詩歌の深奥にある言語意識と思想の一端を明らかにした。
日本文学
日本の中世における歌論・連歌論は、韻学と深い関わりを持っているが、これまでの研究ではそれについて十分検討されていなかった。本研究は、その点を考察することによって、中世の詩歌の深奥にある、言語に対する意識や思想の一端を明らかにした。この研究成果は、日本の言語文化の根源にあるものを考えることにも繋がる意義を有すると思われる。