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2018 年度 実施状況報告書

江戸時代初期における謡本出版過程とその文化的背景に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02426
研究機関法政大学

研究代表者

伊海 孝充  法政大学, 文学部, 教授 (30409354)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード謡本 / 出版
研究実績の概要

2018年度は、二つの作業を行なった。
一つは車屋謡本の補足調査と分析である。前年度調査できなかった九州大学図書館蔵本の調査・撮影と、天理大学図書館蔵本の調査を行なった。特に前者はその存在は知られていたが、詳しく紹介されたことがない資料である。また、収集資料の分析は順調に進められており、近く論文として公表できる予定である。
二つ目は、光悦謡本の資料収集と調査である。まず天理大学図書館蔵光悦謡本上製本と宮城県図書館蔵光悦謡本特製本の調査・撮影を行なった。とくに後者は市文化財に指定されている貴重資料であり、これまで詳しい研究がされてこなかったものである。
これらの資料と以前収集していた光悦謡本諸本の分析に、2018年度はもっとも力を注いだ。光悦謡本が従来考えられているように、元和卯月本の前段階にあたる謡本ではなく、観世流謡本の中では亜流に属することは、ある程度明らかにできたと考えている。あとは、この結果をもとに、観世大夫・金春大夫がこの事業にどれほど関与していたのかを明らかにしていく必要がある。
また、本研究とは直接結びつくものではないが、3月23日に行なったAssociation for Asian Studies(アジア研究学会)で、ボディフォード教授(アメリカ・USLA)・シリモンポーン教授(タイ・チュラロンコーン大学)・ウィナイ准教授(タイ・ナコーンラーチャシーマー・ラーチャパット大学)との共同研究(能「谷行」の多角的分析)においても、研究成果の一部を活用した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2018年度2月~3月にかけて、光悦謡本の調査・撮影(3箇所)を予定していたが、腰痛からくる神経痛になってしまい、3週間近く自宅療養することになってしまった。現在は回復しているので、2019年度の7月中に、不足分の調査を行なう予定である。

今後の研究の推進方策

2019年度は、本研究の最終年度にあたるため、自身の研究をまとめるだけでなく、年度末には本研究をめぐるシンポジウムを開催する予定である。現段階では、近世初期の出版の専門家や伊勢物語・徒然草の出版の専門家も招聘し、謡本の出版を多角的に考察する予定である。

次年度使用額が生じた理由

年度末に体調を崩し、自宅療養することになったため、企画していた調査・撮影を行なうことができなかった。2019年度はじめに、その資料の調査を行ない、撮影(もしくは複写依頼)を行なう予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Yamabushi as Actor: The Space Between Shugendo and Noh2019

    • 著者名/発表者名
      Takamitsu Ikai
    • 学会等名
      Association for Asian Studies
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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