2016-2018年に東海地域で行われた能番組、450枚ほどを収集し、整理して入力している(現在入力中。今後校正して東海地域能楽番組データベース https://zeami.ci.sugiyama-u.ac.jp/~miki/Nou/kensaku.shtml に入れて検索可能にする予定。入力していて東西の能楽師の来演比率が増えていることを実感した。能楽師が演じて食べる時代に移行しているため東京圏に移住している人が多い。 1910年代-1960年代に発売された謡曲・狂言SPレコード約200枚を整理してデジタル化し、著作権の消滅したものについてはホームページ(https://zeami.ci.sugiyama-u.ac.jp/~izuka/erito1/)より配信させていただいた。この結果、時代の古い録音は謡に合わせて小鼓・大鼓が演奏するに対して戦後になると囃子に合わせてシテが謡うように芸の質そのものが変化してゆくことが明らかになった。 和泉流狂言方佐藤友彦師ご所蔵の狂言伝書を閲覧・撮影させていただき、そのうち789冊を翻刻して椙山女学園大学紀要に掲載した。大蔵流の間狂言の伝本として貞享松井本・筑波大学本と並び最古の部類に属し、資料的価値は高い。本の素性と他伝本との比較は今後の課題となる。佐藤友彦師所蔵の狂言伝書の閲覧・撮影を継続している。2019年度に山脇和泉家の明治大正期の神文張(=免状発行控)を閲覧・撮影させていただいた。現在翻刻中である。山脇泉家を弟子として経済的に支えていたのがどのような人々であったのかを今後の研究で明らかにしてゆきたい
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