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2022 年度 実績報告書

明治の「文明開化新詩」と清末の「詩界革命」―近代日中漢詩交流における「逆輸入」

研究課題

研究課題/領域番号 17K02433
研究機関南山大学

研究代表者

蔡 毅  南山大学, 外国語学部, 研究員 (50263504)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード日本漢詩 / 逆輸入 / 田桐 / 扶桑詩話 / 幕末志士
研究実績の概要

著書『清代における日本漢文学の受容』(「南山大学学術叢書」、2022年3月、398頁、汲古書院)の補完として、清末に来日の田桐が著した『扶桑詩話』について検討した。
詩話は古人が詩作を論じ、詩人の事跡を記録する基本的な様式であるが、多くは随筆や札記の形をとり、体系的に整えられてはいない。宋代の欧陽修『六一詩話』に始まり、中国における歴代の詩話は夥しい数にのぼる。清末以降、日本漢詩に言及する詩話もまた陸続と出現した。しかし筆者の知る限り、中国の詩話で書名に「日本」或いは日本の別称を冠するもので、正式に出版されているものは僅かに二つしかない。一つは聶景孺の『桜花館日本詩話』、もう一つは田桐の『扶桑詩話』である。聶景孺の著作については、筆者は別稿にて考察する。田桐の著作については、日本には専門に論じたものは無い。中国大陸では陳春香の専著および宋紅玉の論文に章を設けて検討されており、また台湾の林香伶の論文中にも言及されているが、これらの論述はこの書の内容に対する表層的な評論に留まっていたり、或いはこの書と清末の詩人達の結社との関聯に偏っていたりして、その文献の由来について実証的に追究したものは無く、日本漢詩そのものに対する理解もかなり表面的である。こうした状況に鑑み、田桐『扶桑詩話』の編纂方法および構成の特色について詳細な検討を行い、その日中の漢詩交流史における独特の地位を垣間見ることとした。論文は「中国文人が見た日本漢詩―田桐『扶桑詩話』について―」(査読付き、『東アジア比較文化研究』第22号、東アジア比較文化国際会議日本支部、45-59頁、校正済み)2023年6月刊行予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 中国文人が見た日本漢詩―田桐『扶桑詩話』について―2023

    • 著者名/発表者名
      蔡 毅
    • 雑誌名

      東アジア比較文化研究

      巻: 22 ページ: 45-59

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 日本漢詩を添削する―中国文人のプライド―2023

    • 著者名/発表者名
      蔡 毅
    • 学会等名
      東山之會(京都女子大学)
  • [学会発表] 日本劉禹錫研究概述2022

    • 著者名/発表者名
      蔡 毅
    • 学会等名
      劉禹錫与中唐文学国際学術研討会(広州大学)
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本人是怎様作漢詩的(日本人はどうやって漢詩を作っているのか)2022

    • 著者名/発表者名
      蔡 毅
    • 学会等名
      中華詩詞創作国際研討会
    • 国際学会
  • [図書] 東海浮槎録2022

    • 著者名/発表者名
      蔡 毅
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      河北人民出版社
    • ISBN
      978-7-202-15936-1

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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