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2019 年度 実績報告書

交友圏を視座にした上田秋成文学の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02443
研究機関二松學舍大學

研究代表者

長島 弘明  二松學舍大學, 文学部, 教授 (00138182)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード上田秋成 / 煎茶 / 画賛 / 文人
研究実績の概要

第3年次で最終年に当たる本年は、次のように研究を進め、成果を得た。
1. 煎茶については、親しい友である書家・漢詩人の村瀬栲亭との関係や、秋成が茶器の制作を依頼した高橋道八との関係を検討し、煎茶を特別な儀礼としてではなく、日常性の理念において捉える、秋成の思考を明らかにした。また、売茶翁、大枝流芳の茶書と秋成の『清風瑣言』等を比較し、彼らから大きな影響を受けていることを明らかにした。
2. 秋成の画賛資料を網羅的に収集・整理し、秋成と画家の関係、あるいは賛の和歌・発句と画との関係について考察した。秋成の画賛は呉春との合作が多いが、作品としての完成度を追求しているものの他、依頼品、商品として製作されるものがあることを明らかにした。また、発句の賛よりも和歌の賛が多いことを明らかにし、その理由は、秋成の画賛の画家で、俳画に堪能な者が少ないことによると推測した。また、収集した画賛資料の目録化を試みている途中である。
3. 秋成自身が複数のジャンルにわたって活躍する、いわゆる「文人」であるが、同じく多領域で活躍した秋成周辺の友人や・知人―例えば、蕪村・呉春・十時梅厓・桂宗信・村瀬栲亭・砺波今道らの業績と、秋成自身の業績を比較した。その結果、彼らは第一義的には画家や工芸家や書家であるが、漢学・国学を問わず、かなり本格的に学問にかかわるか、そうでない場合であっても、学問に強い興味を示していることがわかった。そうした、江戸の「文人」とは違う、これら上方「文人」の、独特な学問への傾斜を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 上田秋成の伯(叔)父・樋口道与―延享の朝鮮通信使との関係を中心に―2019

    • 著者名/発表者名
      長島 弘明
    • 学会等名
      杏雨書屋研究講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 上田秋成の伝記をめぐる諸問題――出生と名前――2019

    • 著者名/発表者名
      長島 弘明
    • 学会等名
      奈良女子大学日本アジア言語文化学会講演会
    • 招待講演
  • [図書] 〈奇〉と〈妙〉の江戸文学事典2019

    • 著者名/発表者名
      長島 弘明(編)
    • 総ページ数
      536
    • 出版者
      文学通信
    • ISBN
      978-4-909658-13-5

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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