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2017 年度 実施状況報告書

京観世五軒家旧蔵資料の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02463
研究機関成城大学

研究代表者

大谷 節子  成城大学, 文芸学部, 教授 (90211797)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード謡 / 能楽 / 門人帳 / 伝授 / 教授法 / 浅野太左衛門 / 京観世 / 佐々木竹苞楼
研究実績の概要

本研究は、謡曲の近世、近代における文化的社会的役割を明らかにするための基礎研究として、江戸前期から近代にかけて謡教授を生業とした五家(浅野太左衛門家、井上次郎右衛門家、薗久右衛門(久兵衛)家、林喜右衛門家、岩井七左衛門家)に伝えられた蔵書の調査、関連資料の収集を行い、各家の文献目録の作成を目指している。
本年度は、淺野家旧蔵資料の悉皆調査を中心に行ない、淺野家旧蔵書の目録ならびに淺野家の系図を作成し、浅野栄足の著述の内、『徒歌授受伝』全冊と『能楽余録』の一部の飜刻を行った。
飜刻した二冊は、いずれも浅野家八代栄足(よしたり)の著作である。従来京観世史基礎資料として使われてきた『素謡世々之蹟』は、栄足が門人の鷦鷯竹苞源春行(佐々木竹苞楼主人)に命じて記させ、春行没後の文政三年七月に栄足自身の序文を付して成したものであるが、現在この『素謡世々之蹟』の原本は焼失し、近代以降の写本(現在所在不明)に基づいた飜刻(三一書房『日本庶民文化史料集成』第三巻所収)に拠るほかなかった。『素謡世々之蹟』は浅野家の立場からの記述であり、それ自体の批判的な読解が必要であるが、浅野家旧蔵資料の中から今年度に飜刻紹介した二冊は、『素謡世々之蹟』が書かれた際の依拠資料であり、『素謡世々之蹟』に基づいて研究書かれてきた京観世史を見直すために、今後参照されるべき資料である。
浅野家系図については、浅野家旧蔵資料に加えて、浅野家所蔵の家譜類を参看し、これを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、江戸前期から近代にかけて謡教授を生業とした五家(浅野太左衛門家、井上次郎右衛門家、薗久右衛門(久兵衛)家、林喜右衛門家、岩井七左衛門家)に伝えられた蔵書調査の内、淺野家旧蔵資料の調査を中心に進め、淺野家旧蔵書の目録ならびに淺野家の系図を作成し、浅野栄足の著述の内、『徒歌授受伝』全冊と『能楽余録』の一部の飜刻を行った。

今後の研究の推進方策

昨年度に引き続き、浅野家資料の中から飜刻を行う。また、薗久兵衛家の系図作成を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 浅野太左衛門家旧蔵『徒歌授受伝』『能楽余録』解題と飜刻2018

    • 著者名/発表者名
      大谷節子
    • 雑誌名

      成城国文学論集

      巻: 40 ページ: 61~88

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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