研究課題/領域番号 |
17K02465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大野 公賀 東洋大学, 法学部, 教授 (20548672)
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研究分担者 |
顧 サンサン 東洋大学, 法学部, 講師 (90802009)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 豊子愷 / 源氏物語 / 中国語訳 |
研究成果の概要 |
本研究は中華民国期の代表的知識人である豊子愷が1961年8月から四年余りの年月をかけて完成させた『源氏物語』の中国語全訳に焦点をあて、その意図的な改訳および要因を明らかにしようとしたものである。当初、豊子愷の手稿調査および豊子愷の娘で翻訳協力者でもある豊一吟氏へのインタビューを通じて、豊子愷の翻訳が意図的に改訳された可能性について考察する予定であったが、コロナ禍により調査計画の変更を余儀なくされ、研究期間全体を通じて十分な成果をあげる事ができなかった。具体的な成果としては、大野公賀が論文を二本、研究ノートを二本、大学紀要に発表し、また顧サンサンが翻訳書(2024年8月出版予定)上梓した。
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自由記述の分野 |
中国近現代文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的成果としては、以下の三点が挙げられる。(1)大野論文(2018年、2020年)において、豊子愷が『源氏物語』の翻訳に従事した1961年から65年までの期間の前後、具体的には戦時中と文革中の豊の政治的思想について明らかにした。(2)大野研究ノートでは『源氏物語』原文、豊子愷と林文月による中国語訳、彼らが参照した谷崎潤一郎と与謝野晶子の翻訳について詳細な比較を行った。(3)顧による翻訳書『源氏物語的美学世界』(2024年8月北京市・社会科学文献出版社から出版予定)は中国語圏における『源氏物語』への理解、関心を大いに高めるものと考えられる。
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