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2018 年度 実施状況報告書

日本近現代文学におけるフィクションの機能に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02473
研究機関同志社女子大学

研究代表者

高橋 幸平  同志社女子大学, 表象文化学部, 准教授 (40581567)

研究分担者 日高 佳紀  奈良教育大学, 国語教育講座, 教授 (00335465)
大浦 康介  京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (60185197)
久保 昭博  関西学院大学, 文学部, 教授 (60432324)
河田 学  京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (00569923)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードフィクション論 / 近・現代文学
研究実績の概要

2018年度は以下の各項目の通り研究を進め、その進捗を隔月の研究会(偶数月、計6回開催)で報告した。1.西洋のフィクション論の整理・把握 フィクション論の基本文献として、ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー 19世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』を取り上げ、その内容をフィクション論との関わりから検討した。また、竹内敏雄『アリストテレスの藝術理論』の分析を通じて竹内のアリストテレス解釈を現代のフィクション論の観点から再評価した。さらに西田谷洋『村上春樹のフィクション』について著者を交えてワークショップを行い、現代日本小説をフィクション論的に分析することの意義と困難さについて議論した。2.日本近現代における文学作品とそれをめぐる現象のフィクション論的分析 2017年度に行ったフィクション論の理論的研究と整理および1.での理論的な考察を経て、小島信夫・松浦理英子・小川洋子・筒井康隆・村上春樹について、各作家の作品や評論らをフィクション論的な視点から分析し再記述した。特に小川洋子「百科事典少女」は西田谷洋氏、松浦理英子『最愛の子ども』は飯田祐子氏による講演を研究会で行い、広く日本文学とフィクション論とに関する議論を行った。3.研究成果の海外での発表・意見交流 8月に開催されたタイ国日本研究国際シンポジウム2018(チュラーロンコーン大学)において、高橋・日高が「フィクション論と現代日本文学 -筒井康隆と村上春樹-」、久保・西川が「事実への欲望 -1920-30年代の『実話』ジャンルをめぐって-」と題してパネル発表を行った。5.研究成果の論集発刊 令和2年度の発刊に向けて、すでにフィクション論に関する編著がある大浦・久保・河田と高橋・日高とを中心に、論集の内容や構成、メンバーの執筆項目について検討し、論集の内容や執筆者をおよそ確定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、2.日本近現代における文学作品とそれをめぐる現象のフィクション論的分析、3.新たなフィクション論的枠組みの構想、4.研究成果の海外での発表・意見交流、を計画していた。このうち、2.については計画通り進んでおり、3.については明確な報告には至っていないが、各研究者による報告会でのディスカッションにより、その基盤が形成されつつある。4.については予算にあわせて海外への出張回数・人員を合理化した。

今後の研究の推進方策

1.西洋のフィクション論の整理については、これまでと同様に基本文献の理論的主張を成立しつつ、それらのカテゴリー化・系統化などを行い整理する。2.日本近現代における文学作品とそれをめぐる現象のフィクション論的分析については、対象を他の作家の作品や評論に拡大する。そのプロセスで新たなフィクショ ン論的枠組みの構想に取り組む。4.研究成果の海外での発表・意見交流については、2019年度11月にパリでの国際シンポジウムに参加し研究発表を行う。

次年度使用額が生じた理由

2018年度、計画していた国際シンポジウムの参加先を合理化した。次年度使用額は2019年度に予定されるパリでのシンポジウム・ならびにチューリヒでのワークショップへの参加に使用する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] フィクション論と現代文学─筒井康隆・村上春樹テクストを読む2019

    • 著者名/発表者名
      日高佳紀・高橋幸平
    • 雑誌名

      タイ国日本研究国際シンポジウム2018 論文集

      巻: - ページ: 11-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 事実への欲望─1920-30年代の「実話」ジャンルを巡って2019

    • 著者名/発表者名
      久保昭博・西川貴子
    • 雑誌名

      タイ国日本研究国際シンポジウム2018 論文集

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] フィクションについて最近考えた二、三のこと2019

    • 著者名/発表者名
      大浦康介
    • 雑誌名

      大浦康介退職記念論集

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 戦争と文学―桑原武夫「第二芸術論」と戦後日本の言論状況2018

    • 著者名/発表者名
      大浦康介
    • 雑誌名

      ユニテ

      巻: 45 ページ: 16-36

  • [学会発表] フィクション論と現代文学─筒井康隆・村上春樹テクストを読む2018

    • 著者名/発表者名
      日高佳紀・高橋幸平
    • 学会等名
      タイ国日本研究国際シンポジウム
    • 国際学会
  • [学会発表] 事実への欲望─1920-30年代の「実話」ジャンルを巡って2018

    • 著者名/発表者名
      久保昭博・西川貴子
    • 学会等名
      タイ国日本研究国際シンポジウム
    • 国際学会
  • [図書] なぜフィクションか?2019

    • 著者名/発表者名
      ジャン=マリー・シェフェール・久保 昭博
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会
    • ISBN
      4766425758
  • [図書] 建築の近代文学誌 外地と内地の西洋表象2018

    • 著者名/発表者名
      日高佳紀・西川貴子
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      978-4-585-22692-5

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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