研究課題/領域番号 |
17K02477
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
山本 卓 関西大学, 文学部, 教授 (60230562)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 赤穂事件 / 実録 / 近世小説 / 歴史イメージの形成 |
研究実績の概要 |
・歴史的な人物・事件の一般におけるイメージの形成には、実録が大きく関わっている。実録によって形成されたイメージが国民的な歴史イメージであるといっても過言ではない。実録研究には、実録写本の一本一本が本文その他、異動が大きいことから、根気強い諸本調査が必要不可欠である。そのため、国文学研究資料館・国立国会図書館・国立公文書館・東京国立博物館・東京大学・九州大学・鶴舞図書館を順次訪問して、現代まで続く「忠臣蔵」像の原型を形成した「忠臣蔵」初期実録の諸本を実見・調査するとともに必要な伝本の複写を依頼した。これらの作業により、「忠臣蔵」初期実録の諸本の本文を対比して、優秀な校訂本文の作成の準備ができた。さらに次項に記す作業の準備ともなった。 ・計画段階から重要作品と予想している『介石記』・『新撰大石記』をはじめとする「忠臣蔵」初期実録を調査して、この2点に加えるべき重要作品を絞り込み、1点は『赤城盟伝』に決することができた。 ・『介石記』については、校訂本文の元となる礎稿ができた。 ・今後は、資料集『忠臣蔵初期実録集(仮題)』(校訂本文集)にさらに加えるべき重要作品を探求する。 ・さらに『新撰大石記』についても校訂本文の基礎となる礎稿も作成したい ・最終的には『忠臣蔵初期実録集(仮題)』と称して、忠臣蔵初期実録の校訂本文集にまとめて、公刊したい。それにより、斯界に対して貢献することとなり、国民への成果の還元にもなることと信じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りに進んでいる。 計画していたコンピューターの設置を見送った分、研究補助の人員を増強でき、逆に、校訂本文の礎稿の作成などは予定以上に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
・「忠臣蔵」初期実録の諸本調査を継続する。 ・『忠臣蔵初期実録集(仮題)』に追加すべき重要作を探る。 ・『忠臣蔵初期実録集(仮題)』に収録すべき重要作品の校訂本文作成を目指し、まず礎稿をなす。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画していたコンピューターの設置の必要がなくなったため,平成29年度未使用額170,000円を、次年度の研究補助の増強とし、平成30年請求額500,000円に加え、670,000円を大学院生のアルバイト代として、人件費・謝金にまわしたい。
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