研究課題/領域番号 |
17K02487
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
副田 賢二 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 教授 (40545795)
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研究分担者 |
松村 良 駒沢女子大学, 公私立大学の部局等, 特任教授 (00265571)
原 卓史 尾道市立大学, 芸術文化学部, 准教授 (00756190)
天野 知幸 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (40552998)
和泉 司 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (50611943)
五島 慶一 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (90589855)
三浦 卓 志學館大学, 人間関係学部, 准教授 (90785619)
杉山 欣也 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90547077)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 戦前期『サンデー毎日』 / 視覚表象と週刊誌 / 文壇と文学者イメージ / 週刊誌表紙というメディア / 挿絵と文学テクスト / 戦時下週刊誌とプロパガンダ / 占領期『サンデー毎日』とアメリカ表象 / 大衆文学と『サンデー毎日』 |
研究実績の概要 |
戦前期『サンデー毎日』を中心とした週刊誌メディアと文学との関わり、及びその誌面レイアウトや視覚表象の構造を扱う本研究は三年目となり、大阪市立大学所蔵『サンデー毎日』の調査、分析、データ化を進めた。その研究実績は、主に学術研究誌への論文掲載及び学会・研究会での研究発表で発表した。 2019年度は、7月に第3回科研費研究成果中間発表会を大阪市内で実施した。同時に日本出版学会関西部会に参加し、雑誌メディアにおける挿絵やレイアウトの研究において、同学会との交流を実現した。 なお、2020年3月に京都教育大学で第4回科研費研究成果報告会(一般公開形式)の開催を予定していたが、新型コロナ感染流行のため延期となった。また、大阪市立大学や国立国会図書館、大宅文庫等で調査した戦前期『サンデー毎日』をめぐる資料やデータベースについては冊子形式の資料集として刊行して実績報告書とする予定であったが、3月以降図書館等での調査が不可能になったため、現在研究期間延長申請を提出し、受理されている。延長期間は1年間だが、新型コロナ問題が改善された場合は、2020年8月までに本研究の研究活動及び資料集の出版(成果報告)を完了しようと考えている。そこで刊行する成果報告には、データ化した戦前期『サンデー毎日』の全表紙のデータベース(創刊から占領期まで)、『サンデー毎日』創刊記念号等の特集号の資料紹介、分析、1920年代の文壇ゴシップ記事の分析等、これまでの研究成果を掲載する予定である。 また、まず大正期を対象として『サンデー毎日』の視覚表象を分析して目録を作成、データベース化する調査を現在複数メンバーで進めている。その調査、研究成果は、新たに獲得した「1920~1950年代の週刊誌メディアにおける文学テクストと視覚表象の総合的研究」(基盤研究(C) 課題番号:20K00361)にて公刊する研究書に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染流行により、科研費最終年度である今年度の3月以降の研究活動が停止せざるを得ない状況となったことが、その遅れの理由である。限定された図書館や施設にしか所蔵されていない戦前期『サンデー毎日』『週刊朝日』を閲覧しそのデータを収集することが本研究では不可欠であるため、図書館等での調査ができないということ、また様々な地域への公共交通機関での移動が伴う研究会開催や研究交流活動ができないことは、本研究の研究実績の発表と公刊において重大な影響を与えた。 また、研究協力者として本研究に参加していた法政大学の村山龍氏が今年4月に急逝され、同氏が担当していた昭和モダニズム期『サンデー毎日』と文学をめぐる研究が停止してしまったことも、本研究の進捗に重大な影響を与えた。 以上の理由により「やや遅れている」との自己評価となったが、これまでの調査研究の蓄積は十分になされており、新型コロナ問題が改善された時点で、その研究成果を広く社会に公開する準備は、既に完了している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策としては、2020年度の基盤研究(C)として新たに「1920~1950年代の週刊誌メディアにおける文学テクストと視覚表象の総合的研究」(課題番号:20K00361)が採択されたことで、本研究の今後の継続性と発展性が保証されることになった。引き続き副田賢二が研究代表者を担当し、新たな研究メンバーも加えたこの新規科研費研究においては、これまでの戦前期『サンデー毎日』研究の蓄積と収集データを基盤として、学問領域を越えた総合的な雑誌メディア、文学/表象研究を今後3年間の研究期間でさらに推進することが可能であり、そこではこれまでの調査、研究をまとめた本格的な研究書を公刊する予定である。 また、本研究においてこれまで実現してきた他領域の研究者との連携、交流もさらに具体化しており、日本出版学会との関わりも今後本格化すると考えられる。また、日本近代文学会や昭和文学会等の規模の大きい学会でのパネル発表も実施し、社会に対する研究成果のさらなる公開を目指す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染流行による、本年度3月以降の全ての研究活動・成果報告書刊行の延期のため。現在研究活動延長を申請し、受理されている。
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