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2017 年度 実施状況報告書

大正期における児童出版文化史の研究-実業之日本社の果たした役割

研究課題

研究課題/領域番号 17K02488
研究機関一般財団法人大阪国際児童文学振興財団

研究代表者

土居 安子  一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 総括専門員 (00416257)

研究分担者 酒井 晶代  愛知淑徳大学, 創造表現学部, 教授 (10279953)
遠藤 純  京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 准教授 (10416258)
浅岡 靖央  白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (60788941)
目黒 強  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70346229)
宮川 健郎  武蔵野大学, 文学部, 教授 (80166123)
小松 聡子  一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 特別専門員 (90416256)
柿本 真代  仁愛大学, 人間生活学部, 講師 (40759081)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード児童文学 / 児童出版史 / 実業之日本社 / 児童雑誌研究
研究実績の概要

本研究は、大正期の児童雑誌出版史の中心的な役割を果たした実業之日本社の活動をまとめることによって、児童出版史の中で位置付けることである。
第一年目である本年度は、基礎資料の調査・研究と同時に、各研究者がそれぞれのテーマで研究を行い、その成果を研究会等で発表した。
まず、資料調査として、実業之日本社で出版された「日本少年」「少女の友」「幼年の友」などの雑誌のさまざまな機関での所蔵状況を調査し、一覧表にまとめた。特にこれまでに公開されていなかった入江コレクションを所蔵している兵庫県立歴史博物館の学芸員である香川雅信氏から入江コレクションの雑誌の所蔵状況等についての報告を受け、実業之日本社の所蔵雑誌一覧を作成した。また、「少女の友」の雑誌細目の18000データの入力を行い、研究基礎データの整備に努めた。「少女の友」については、実業之日本社を訪問し、社長と面談することによって資料の貸与を受けた。
図書の出版、社員や周辺の作家の調査、実業之日本社と博文館の比較については、参考文献リストの作成と同時に、3回の研究会で各研究者がそれぞれの視点で研究発表を行った。その研究成果の一つとして、『日本少年』(実業之日本社)創刊号と同時期に出版されていた少年雑誌である『少年世界』(博文館)『少年界』(金港堂)『少年』(時事新報社)の比較研究を行い、「「日本少年」創刊号に見られる実業之日本社の少年雑誌戦略―他誌との比較を通して―」(『大阪国際児童文学振興財団研究紀要』31号)にまとめることができた。加えて松本育子氏が「描かれた大正モダン・キッズ 婦人之友社『子供之友』原画展」において「児童雑誌の流れ―明治から戦前までの絵雑誌を中心に」(2017年4月22日~6月4日 愛知・刈谷市美術館)を企画・展示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画どおり「少女の友」の目次細目の入力をはじめ、先行文献リストや所蔵調査や論文執筆などを行うと同時に、2017年度に実施した3回の研究会では、「お伽倶楽部研究」「実業之日本社の児童図書の研究」「実業之日本社の歴史」「実業之日本社の少年少女向け出版に関する先行研究」「入江コレクションにおける大正期の雑誌」「大正期の絵雑誌における童画の傾向」「『日本少年』における「悲哀小説」と「滑稽小説」の位相」「『赤い鳥』の新しさとは?;博文館、実業之日本社など先行誌との比較から」などの発表が行われ、計画以上に幅広い視点から研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

研究計画に沿って実業之日本社の少年少女雑誌の内容細目データを入力し続け、研究基礎データの整備を行うと同時に、定期的に研究会を実施し、各自の研究テーマをより発展させ、交流する。また、日本児童文学学会で本研究に関わるシンポジウムを行い、研究成果を公開する。

次年度使用額が生じた理由

2017年度は、資料の所蔵状況を調査していたため、旅費の発生が計画より少なくなったが、2018年度以降は、各地に所蔵がある実際の資料を調査に行くため、より多くの旅費が必要になる。また、データ入力に関しては、2017年度は研究員が入力したり、他の経費を使って、入力を行ったが、2018年度以降は本助成金の人件費を使ってより雑誌データの入力を進めていくため、計画どおりのデータ入力のためには助成金が必要となる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「日本少年」創刊号に見られる実業之日本社の少年雑誌戦略―他誌との比較を通して―2018

    • 著者名/発表者名
      土居安子
    • 雑誌名

      大阪国際児童文学振興財団研究紀要

      巻: 31号 ページ: 1-19

  • [雑誌論文] 雑誌「少年」(時事新報社)細目(六)2018

    • 著者名/発表者名
      遠藤純
    • 雑誌名

      大阪国際児童文学振興財団研究紀要

      巻: 31号 ページ: ★

  • [雑誌論文] 明治後半期における文士の社会的地位をめぐるポリティクス-巖谷小波の文士優遇論に着目して-2018

    • 著者名/発表者名
      目黒強
    • 雑誌名

      大阪国際児童文学振興財団研究紀要

      巻: 31号 ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 明治後期における『少女世界』にみる良妻賢母規範をめぐるポリティクス-〈お伽小説〉と〈冒険小説〉を事例として-2017

    • 著者名/発表者名
      目黒強
    • 雑誌名

      神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要

      巻: 11巻11号 ページ: 95-104

  • [学会発表] 大正期の子どもたちと西洋菓子―『子供之友』掲載記事を手がかりとして―2017

    • 著者名/発表者名
      酒井晶代
    • 学会等名
      日本児童文学学会第87回中部例会

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公開日: 2018-12-17  

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