研究課題/領域番号 |
17K02491
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
高橋 和久 立正大学, 文学部, 教授 (10108102)
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研究分担者 |
丹治 愛 法政大学, 文学部, 教授 (90133686)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 20世紀イギリス小説 / 文学史 / モダニズム / ポストモダニズム / 印象主義 / メタフィクション |
研究実績の概要 |
二年目である今年度は、原稿を依頼した執筆者たちの過半数から原稿が寄せられたので、年度末に近い2月に二度にわたって合評会を開催した。研究代表者と分担者、それに執筆者がそれぞれの原稿についてコメントし合い、修正や加筆が必要な点などを議論するとともに、それをとおして、20世紀イギリス小説の流れを確認した。 具体的にあつかった作品は、ヘンリー・ジェイムズ『黄金の盃』(1904)、ジョウゼフ・コンラッド『密偵』(1907)、フォード・マドックス・フォード『善き兵士』(1915)、ヴァージニア・ウルフ『幕間』(1941)、ジョージ・オーウェル『一九八四年』(1949)、マーガレット・ドラブル『碾臼』(1965)、サルマン・ルシュディの『真夜中の子供たち』(1981)、アラスター・グレイ『ラナーク』(1981)、ドリス・レッシング『夕映えの道 よき隣人の日記』(1985)、J・M・クッツェー『鉄の時代』(1990)である。まだ合評会にはかけていないが提出済みの原稿は、E.M. フォースター『眺めのいい部屋』(1908)、D.H. ロレンス『息子と恋人』(1913)である。使用されたキーワードは、印象主義、リアリズム、モダニズム、世界大戦、啓蒙主義、ディストピア、メタフィクション、ポストモダン、ポストコロニアル、女性、老いなどである。そのような概念を蝶番とした20世紀イギリス小説史のかたちが見えてきている。 研究代表者の高橋は、20世紀イギリス小説史を概観するための序文を準備している。分担者の丹治は、担当であるコンラッド『密偵』論に修正と加筆をおこなうとともに、文体や形式の統一などの編集作業を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過半数の執筆者が原稿を完成させており、かつ、合評も終えており、最終的な書き直しに入っている。他の執筆者も5月末までに原稿を完成させる予定である。20世紀イギリス文学史の概要があらわれつつある。
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今後の研究の推進方策 |
来年度の5月ごろまでにすべての原稿が出そろう予定である。7月までのあいだに二度程度の合評会を開催し、9月までにすべての執筆者から最終原稿を受け取り、出版社に送る予定をしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる理由は、3月に予定していた合評会1回分が2019年度にずれこんでしまったことにある。その合評会は2019年5月に開催する予定である。
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