研究課題/領域番号 |
17K02491
|
研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
高橋 和久 立正大学, 文学部, 教授 (10108102)
|
研究分担者 |
丹治 愛 法政大学, 文学部, 教授 (90133686)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 印象主義 / モダニズム / メタフィクション / ポストモダン / ポストコロニアル / マジック・リアリズム / フェミニズム |
研究実績の概要 |
最終年度である今年度は、8月に2回にわたって合評会を開催した。研究代表者と分担者、それに執筆協力者がそれぞれの原稿についてコメントし合い、修正や加筆が必要な点などを議論するとともに、それをとおして、20世紀イギリス小説の流れを確認した。具体的にあつかった作品は、E.M.フォースター『眺めのいい部屋』(1908)、ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』(1922)、イヴリン・ウォー『ブライヅヘッドふたたび』(1945)、ジョン・ファウルズ『フランス軍中尉の女』(1969)、アンジェラ・カーター『夜ごとのサーカス』(1984)、カズオ・イシグロ『充たされざる者』(1995)である。使用されたキーワードは、印象主義、リアリズム、モダニズム、世界大戦、メタフィクション、ヒストリオグラフィック(歴史記述的)・メタフィクション、フェミニズム、ポストモダン、ポストコロニアル、マジック・リアリズムなどである。 そのような概念を蝶番とした20世紀イギリス小説史のかたちが見えてきたところで、そして以上の研究発表を踏まえて、研究代表者の高橋は、20世紀イギリス小説史を概観するための序論「モダニズムからポストモダニズムへ」を執筆した。また、執筆協力者(17名)は全員、合評会の結果を受けて、修正した完成原稿を9月に提出。研究分担者の丹治は、提出された完成原稿を通読し、文体や形式の統一やキーワードの書き出し、編集方針の執筆など、書籍化に必要な編集作業を行った。 2020年3月31日、研究の成果は『20世紀「英国」小説の展開』として、無事、松柏社から出版された。高橋の「序論」をのぞいて全18章(ヘンリー・ジェイムズからカズオ・イシグロまで)、予定を大幅に上回る515ページの大冊となった。
|