本研究の意義は以下の3点と考えられる。1)初期近代英文学の研究において、特に日本においては手薄であったシェイクスピア以外の劇作家に焦点を当てシェイクスピアとの比較における検討を行ったこと。2)古典古代神話に由来する誘惑者像の展開を考察することで比較文学的な研究を試みたこと。この点については、古代から現代に至るより長い時間軸におけるさらなる研究の可能性が見いだされた。3)欧州、キリスト教の世界的な拡大という文脈に着目した研究であったこと。この点は、今日のグローバル化における文化、社会のあり方の検討とも通じる社会的な意義を有している。
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