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2017 年度 実施状況報告書

ジョン・ディーが17世紀英国のアンティクエリアニズムに及ぼした影響の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02501
研究機関奈良女子大学

研究代表者

横山 茂雄  奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (10144726)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード英文学 / 17世紀 / アンティクエリアニズム / ジョン・ディー / トマス・フラー / ジョン・オーブリ / イライアス・アシュモール / エドワード・ケリー
研究実績の概要

本研究は、ジョン・ディーJohn Dee (1527-1609)が、ジョン・オーブリJohn Aubrey (1626-97)やイライアス・アシュモールElias Ashmole (1617-92)などに代表される17世紀英国のアンティクエリアニズム(antiquarianism)に及ぼした影響を解明することを目的とする。本年度については、オーブリ、アシュモールより上の世代に属する聖職者、文人トマス・フラーThomas Fuller (1608-61)についての研究を主として進めた。
フラーの死後に刊行された『イングランド名士録』The History of the Worthies of England(1662)は、地誌と人物伝が混淆した形式をとっているが、英国伝記文学の歴史の観点からは、オーブリの『名士小伝』Brief Lives に先行する重要な著作である。そして、同書において、ジョン・ディー及びエドワード・ケリーの双方が偏見なしに取りあげられているのは注目に価する。
のみならず、ジョン・ウィーヴァーJohn Weever(1576-1632)の『古代墳墓論』Ancient Funeral Monuments(1631)、アシュモールの『英国の化学の劇場』Theatrum Chemicum Britannicum(1652)などを情報源としつつ、フラーは天使召喚作業を詳細に記録したディーの手稿(トマス・コットンThomas Cottonの所蔵分)の調査までおこない、それに基づいて評価を下している。この事実は、如何にフラーがディーとケリーの事蹟に強い関心を抱いていたかを証明するものといえよう。なお、フラーがディーとケリーについての箇所を執筆した時期は、メリック・カソーボンMeric Casaubonが1659年にディーの手稿記録を公刊するより以前なのは確実である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

トマス・フラーに関する研究作業、特に資料収集が予想以上に時間を要したので、ジョン・オーブリやイライアス・アシュモールについての研究作業の進捗状況がはかばかしくないため。

今後の研究の推進方策

トマス・フラーに関する研究作業をいったん中断して、ジョン・オーブリ、イライアス・アシュモールについての研究作業のほうに注力する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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