研究課題/領域番号 |
17K02501
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
横山 茂雄 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (10144726)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 英文学 / 17世紀 / アンティクエリアニズム / ジョン・ディー / トマス・フラー / ジョン・オーブリ / イライアス・アシュモール / エドワード・ケリー |
研究実績の概要 |
本研究は、ジョン・ディーJohn Dee (1527-1609)が、ジョン・オーブリJohn Aubrey (1626-97)やイライアス・アシュモールElias Ashmole (1617-92)などに代表される17世紀英国のアンティクエリアニズム(antiquarianism)に及ぼした影響を解明することを目的とする。本年度については、前年度に行ったトマス・フラーThomas Fuller (1608-61)研究の補足をおこなうと共に、ジョン・オーブリの研究に着手した。 ディーの天使召喚作業記録の手稿調査までおこなったフラーは、イギリス国教会の高名な聖職者であるのみならず、『ブリテン教会史』Church-History of Britain (1655)などの著者でもあった。したがって、異端の恐れがあるディーやその協力者エドワード・ケリーEdward Kelley (1555-98?)への強い関心、肯定的評価を、フラーが『イングランド名士録』The History of the Worthies of England (1662)において公然と表明できた背景については、さらなる研究が必要とされる。 オーブリが主著のひとつ『名士小伝』Brief Livesを執筆したのは占星術研究のデータ収集のためであった事実は、ケイト・ベネットKate Bennettによって編集された初の完全版(2015)によりいっそう明瞭となり、かつまた、アシュモールが『英国の化学の劇場』 Theatrum Chemicum Britannicum(1652)で採用した形式に多くを負うことも判明した。さらに、オーブリのディーへの強い関心が占星術、錬金術と関連するだけでなく、言語研究にも関わっている可能性も見出せる。この点についてはできるだけ考究を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に生じた若干の遅れを取り戻して、本年度はジョン・オーブリについての研究作業を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き、ジョン・オーブリについての研究作業を継続する予定で、可能であればイライアス・アシュモールの研究に着手したい。
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