研究課題/領域番号 |
17K02501
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
横山 茂雄 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (10144726)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 英文学 / 17世紀 / アンティクエリアニズム / ジョン・ディー / ジョン・オーブリ / ジョン・ウィルキンズ / フランシス・ロドウィック / ジョージ・ダルガーノ |
研究実績の概要 |
本研究は、ジョン・ディーJohn Dee (1527-1609)が、ジョン・オーブリJohn Aubrey (1626-97)やイライアス・アシュモールElias Ashmole (1617-92)などに代表される17世紀英国のアンティクエリアニズム(antiquarianism)に及ぼした影響を解明することを目的とする。本年度については、前年度から本格的に開始したジョン・オーブリの研究を継続しておこなった。 オーブリの遺した手稿のひとつ、Interpretation of Villare Anglicanum (c.1670-c1690) は、英国の地名についての著作で、彼の言語への関心を示すものである。この時代の英国では、ジョン・ウィルキンズJohn Wilkins (1614-72)やフランシス・ロドウィックFrancis Lodwick (1619-94)、ジョージ・ダルガーノGeorge Dalgano (c.1616-87)などによって普遍言語、人工言語、人工文字の考究が熱心に進められており、当時の知の中心をなす王立協会(the Royal Society of London)のメンバーであったオーブリも興味を寄せていた。 一方、ディーの精霊召喚作業においては、始原の言語と称されるもの、いわゆる「エノク語」が、エドワード・ケリーEdward Kelley (1555-98?)を通じて啓示されており、これは独自の文字体系を有していた。 以上のような背景を考慮すると、オーブリのディーへの関心には、占星術、錬金術、超自然といった文脈だけでなく、後者の「エノク語」も絡んでいた可能性が浮かび上がってきた。この点については、具体的な検証、分析を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ジョン・オーブリと17世紀英国における言語論との関わりを、綿密に検証、分析する必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
ジョン・オーブリと17世紀英国における言語論との関わりを、ジョン・ウィルキンズ、フランシス・ロドウィック、ジョージ・ダルガーノなどによる普遍言語、人工言語、人工文字の探求に焦点を絞って、具体的に調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究に遅延を生じたため、1年間の延長を申請し、それが認められたため。 主として文献資料の購入費に充てる予定である。
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