• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 研究成果報告書

大衆旅行時代におけるロマン主義精神の継承―湖水地方の観光と文化的景観の変容

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 17K02509
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関神戸市外国語大学

研究代表者

吉川 朗子  神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (60316031)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードワーズワス / 英国湖水地方 / 交通革命 / 大衆旅行 / 自然保護運動 / 文化遺産 / ロマン主義的精神
研究成果の概要

本研究は、鉄道・自動車の発達による旅行の大衆化と都市化や戦争による人々の田園観・国家意識の変容の時代を通して、ワーズワスが湖水地方の文化的景観に与えた影響力を検証したものである。ワーズワスの旅の美学が初期の自動車旅行者たちの移動感覚に大きな影響を与えたこと、第一次世界大戦がワーズワスの再評価をもたらし、湖水地方を文化的遺産として保護しようとする運動に繋がったこと、戦間期の自動車の普及が逆説的にロマン主義的な徒歩主義を再生させたことなどを検証した。ロマン主義的精神は、景観や自然環境との関わり方、旅行や文化遺産などに対する現代的価値観に関して、様々な形で礎を築いてきたことが実証された。

自由記述の分野

イギリス・ロマン主義

研究成果の学術的意義や社会的意義

社会経済・価値観が激変し、ロマン主義への反発としてモダニズムが台頭した20世紀前半にロマン主義精神はいかに継承されたかを探求した点に本研究の意義がある。ロマン主義精神の商品化・大衆化の側面は否めないが、旅の個人主義と大衆・民主主義、景観保護と観光開発、公共の価値と地域住民の権利など、景勝地が現在抱える諸問題の様々な立場に対して、ワーズワスの言説が影響を与えていることも明らかになり、ロマン主義精神の多面的な波及力が浮き彫りになった。研究成果を単著にまとめ英国の出版社から発表できたことには大きな学術的意義があり、国内外の4つの団体から依頼されて研究成果を社会に還元できたことにも意義があるだろう。

URL: 

公開日: 2023-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi