研究課題/領域番号 |
17K02520
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
浜名 恵美 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (20149355)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | シェイクスピア / 認知学的アプローチ / 上演研究 |
研究実績の概要 |
1年目は、「世界シェイクスピア上演への認知学的アプローチ」を重点的に検討するために、文献調査と国内外の上演の実地調査を集中的に行い、最新の動向を把握することに努めた。特筆すべことは、日本シェイクスピア協会から平成29年度学会2日目の特別パネル・ディスカッションのコーディネイターを依頼され、認知学的アプローチとも関わりの深いDigital Humanitiesを取り上げることにしたが、この分野から学術的に得るものが多かったことである。主要な研究実績は以下のとおりである。 1.アメリカの「文学への認知学的アプローチ(Cognitive Approaches to Literature)」グループへの入会が認められた。2.平成29年8月7日~22日:カナダと連合王国に出張。8月8日~12日:DH2017Conference (開催校:マギル大学)参加。8月12日~22日:ロンドンで上演調査及び論文執筆。3.平成29年10月8日:第56回日本シェイクスピア学会(開催校:近畿大学)、特別パネル・ディスカッション「シェイクスピア研究におけるディジタル・ヒューマニティーズの成果と可能性」のコーディネイターを務めた。4.平成30年1月3日~9日:アメリカ合衆国へ出張。1月4日~7日: MLA2018Convention (開催場所:New York Hilton Midtown, Sheraton New York)に参加。1月6日8:30-11:30:DHのワークショップに参加。1月3日夜と1月7日夜にシェイクスピアの没入型パフォーマンスとして有名なSleep No Moreの上演調査を実施した。5.平成30年3月30日~4月1日:上海(中国)に出張(自費)。3月30日夜と3月31日夜にシェイクスピアの没入型パフォーマンスとして有名なSleep No Moreの上海版の上演調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カリフォルニア大学(アーバイン)のブライアン・レノルズ教授主宰Transversal Theater Company (本拠地:アムステルダム)の調査は、学期中のために実現できなかった。それ以外は、3年目に予定しているIAUPE2019学会(開催地:ポーランド)のシェイクスピア部門の2名のリーダー(ポーランド人とアメリカ人)と連絡を保ち、発表論文の準備を進めたことを含めて、順調に進展している。特に、ディジタル・ヒューマニティーズに関わることになり、認知的アプローチにより広く、より深く取り組めるようになった意義は大きい。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりに研究を進める。平成30年度は7月末にバーミンガム大学シェイクスピア研究所(連合王国)主催の学会に参加する。それ以外にも国内外出張を行い学会参加及び上演調査を行う機会があるかもしれないが、今後は特にシェイクスピアの実験的上演に関する認知学的アプローチをより本格的に探究する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
請求の手続きが煩雑であるために、海外の会社に依頼した英語論文の校正代金を請求しないで自己負担したなどのために30,495円が残り、次年度助成金として請求することになった。
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