研究課題/領域番号 |
17K02525
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
島 美由紀 (西尾美由紀) 近畿大学, 工学部, 准教授 (50549524)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 電子テクスト / TEI |
研究実績の概要 |
話法に関する計量的な研究はこれまでもなされているが、作家の文体的特徴を記述する研究はあまりなされていない。話法に関する文体研究を進めていくため、TEI(Text Encoding Initiative)のガイドラインに沿って、ディケンズの作品に発話者、社会階級、年齢、性別等の社会言語学観点からも研究できるよう、テクスト内にアノテーションとして情報を付与する作業を進めている。TEIのガイドラインを採用した理由は、個々の研究者が、自分の研究を遂行するために、独自のアノテーションを付与した電子テクストを作成し研究しているが、埋め込んだアノテーションの書き方やタグの付け方が異なると、他の研究者が作成した電子テクストと比較することが難しい。本研究では、他の研究者と相互利用可能な電子テクストを作成することを目指し、Oliver Twistのタグ付けから始めた。 性別については「male/female」で、年齢については「young/adult/old」で分類している。また、職業の部類の作業にあたっては、Every thing in Dickensを参考に行った。 現在は、Oliver Twistのタグ付け作業を終了し、Great Expectationsにアノテーションを埋め込む作業を行っている。昨年から発話者および聞き手が一人ではなく、複数いる場合などさまざまな状況が考えられるものもあるため、時間が予想以上にかかっているが、アノテーションを付与する作業を進め、できる限り多くの作品にアノテーションを付与できるよう作業を進めている。また、この作業で作成したデータをもとに、2019年に行われる国際文体論学会(Poetics and Stylistics Association)で研究発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
発話者、聞き手の特定が難しい場合、あるいは聞き手が複数いる場合のアノテーションの付与をする際に、精緻な読みが必要となり、どのアノテーションを付与するかについて検討するのにも時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
Oliver Twistの作品に次いで、現在Great Expectationsの作品にアノテーションを付与する作業を行っているが、まずは、この電子テクストへのアノテーションの付与作業を終わらせる。また、今年度夏に国際文体論学会で発表する予定である。テキストマイニングの手法についても引き続き、学びながらデータ分析を進めていく予定である。 今年度は、発表後、データ分析を行い、論文を投稿する予定である。
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