• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

ディケンズを中心とした近代英語の話法の発達を解明する研究へ向けたデータベース構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K02525
研究機関近畿大学

研究代表者

島 美由紀 (西尾美由紀)  近畿大学, 工学部, 准教授 (50549524)

研究期間 (年度) 2020-03-01 – 2025-03-31
キーワードディケンズ / 文体
研究実績の概要

この研究では,19世紀のイギリスの小説家チャールズ・ディケンズが小説で使用する語りのスタイルに焦点を当て,ディケンズの作品を電子テクスト化し,発話者の属性(性別・社会階級・年齢など)を含む言語学的情報を注釈として追加している.TEI(Text Encoding Initiative)のガイドラインに従い,データを入力することで,他の研究者とのデータの共有や利用が容易になる.

現在,作品に注釈(アノテーション)をつける作業を進めている途中であり,十分な量の注釈をつける作業は完了していない.しかしながら,これまでの調査では,登場人物とその発話に関連する伝達部には一貫したパターンがあり,伝達部が登場人物の性格描写を補完していることも分かっている.伝達動詞だけでなく,伝達部に含まれる副詞・前置詞句・分詞構文なども登場人物の特徴を鮮明に描写している.これは,当時の作品が連載形式で発表されていたことが大きな要因である.登場人物のジェスチャーや口癖などを読者に印象づけ,次回の登場時に読者が容易にその人物を想起できるよう工夫されている.

論文はまだ執筆中だが,この研究を通じて,ディケンズの文体的な技法が明らかになり,読者に対する印象づけだけではなく,登場人物の詳細な描写により人物像が形成されていることを示す.また,前期の作品だけでなく,後期の作品においても注釈を追加し,比較することにより,ディケンズが作家として成長するにつれて,伝達部の使用方法に変化が現れることも分かった.統計的な手法を用い,どのような変化が見られるかデータで示す予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の拡大による影響により,健康面での制約があり,国内外での学会発表に参加することも難しかったため,計画に遅れが生じ,研究を十分に進めることができなかった.

今後の研究の推進方策

本年度は最終年度となるため,執筆中の論文をまとめ,学会での発表や論文の投稿を計画している.ディケンズの作品に注釈を埋め込む作業は,精緻な読みが必要で機械的に進めることができないため,継続して続ける予定である.ディケンズの作品に注釈を付与する作業を優先し,その後,統計的手法を使用して分析し結果を発表する予定である.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の拡大による影響により,健康面での制約があり,国内外での学会発表に参加することも難しかったため,計画に遅れが生じ,研究を十分に進めることができなかった.
関連する書籍の購入および,統計処理をするのに必要なパソコンの購入を予定している.

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi