研究課題/領域番号 |
17K02527
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
秋元 孝文 甲南大学, 文学部, 教授 (70330404)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エトガル・ケレット / イスラエル / ユダヤ |
研究実績の概要 |
2015年秋にシカゴ大学で開催された Etgar Keretに関する国際学会 Keret's Happy Campers:Etgar Keret and the Fate of Israeli Culture in the World Today での発表原稿を元にした"Etgar Keret, Haruki Murakami and World Literature: the possibility of Translation" をBGU Reviewに発表。Etgar Keretの日本での受容や翻訳を通して世界的に読まれる現象を村上春樹と比較して、今日的な世界文学のあり方として議論し、そこからどのような議論が可能なのかを考察した。BGU Reviewの本号は世界初のEtgar Keret研究アンソロジーであり、国際的なEtgar Keret研究の始まりに参加することができた。 2016年秋に同志社大学で開催されたThe 9th annual conference on Jewish Studies での口頭発表を元にした論文"The Seven Good Years in Japanese: Translating a Translation without the Original" をCISMORに発表。 2018年2月にはイスラエル外務省主催のイスラエルへの視察団Young Lerdership Programに招待を受け参加し、出版エージェントのDeborah HarrisやEtgar Keret本人らと直接対話し、ユダヤ系文学について議論する機会を得た。 本研究計画にて2018年にEtgar KeretとShira Geffenを日本へ招聘の予定であったが、夫妻のフランスでのテレビ番組作成計画の日程変更により、当初計画していた日程での来日が不可能となった。しかし2019年秋に時期を延期しての招聘ということで合意し、引き続き計画を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度に2本の論文を国際的な媒体で発表できたことは、世界的にまだ始まったばかりのEtgar Keret研究において申請者の大きな貢献を記すものだと自負している。また、イスラエルへの訪問は当初から研究計画の中にあり、科研費の交付を受ける5年間のうちに行く予定ではあったが、幸運にもイスラエル政府からの招待という形で早くも1年目に訪問することが叶い、かつ視察団プログラムのおかげでイスラエルの文学・出版関係者たちと繋がりができたのは、今後の研究計画においても益するところ大であり、そのような広がりが期待できる土台を初年度に作ることができたという点で、進捗状況は予想以上に順調だと評価したい。
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今後の研究の推進方策 |
2018年のEtgar Keret, Shira Geffen招聘は2019年に延期となったが、2019年に延期して実行の予定。当初Etgar Keretとともにシンポジウムに参加してもらう予定だった温又柔、木村友佑、福永信の3人の日本作家には、2018年秋にEtgar keret抜きでシンポを開催し参加してもらうこととなっており、19年の来日につながる継続的な事業としたい。 又、今年度はイスラエルで得た知見を生かし、イスラエル文学の系譜について研究を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
イスラエルへの渡航予定があったがイスラエル政府主催の視察団に招待されたため費用が掛からなかった。旅費は今後の訪イや訪米に活用する予定である。
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