研究課題/領域番号 |
17K02531
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
壬生 正博 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (30249784)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中世イギリス文学 / 異界 / 夢文学 / 旅行記 / アレゴリー / 聖書 |
研究実績の概要 |
本研究は、『マンデヴィル旅行記』(Mandeville's Travels)と『タンダールの幻視物語』(The Vision of Tundale)の特にパラダイス描写に焦点をあてて、中世の世界地図(Mappa Mundi)やDanteのDivine Comedyも視野に入れて複合的に比較研究を行っている。 H30年度も継続して研究資料を集めた。また、口頭発表を行った(「中世イギリスのヘレフォード世界地図に見る特異な世界観について」、第15回総合文化学会)。この発表では、13世紀後期にイギリスで制作された世界地図(Hereford Mappa Mundi)を取り上げて、『マンデヴィル旅行記』の記述と比較しながら、地図におけるパラダイスの意識について考察を試みた。比較研究でわかった点は、聖書の創世記に記されたエデンの園から流れ出る4つの川がアジア地域と深く関わっていることである。学術論文として"Viewpoints on the Descriptions of Paradise in Dream-Visions "( Journal of Comprehensive Cultural Studies, No. 8)、それと「中世文学に見る地上の楽園の「泉」について」(The Kyushu Review、第16号)が掲載された。前者は、『タンダールの幻視物語』、その他の幻視物語のパラダイス描写の特徴について述べ、後者は『タンダールの幻視物語』とダンテの『神曲』の地上の楽園の泉について論じたものである。上記の考察を通じて、中世の西欧社会の根幹に聖書思想がいかに深く影響を与えているかを再認識することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究がおおむね順調に進んでいる理由は以下の諸事項による― ・当該研究に関連する研究書を入手して、研究の進展を図ることができたこと ・当該研究の研究経過報告として口頭発表や論文作成ができたこと ・国内の大学図書館や国会図書館等に赴き、多くの貴重な資料を収集できたこと、等の理由による。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に入手できた資料を今後の研究推進に役立てる。また、来年度は特に『マンデヴィル旅行記』や『神曲』の中世写本に描かれた細密画のデジタル画像を海外の図書館や美術館等から入手して、複合的な比較研究を継続して行う。研究成果は学会等で発表するつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
発注を依頼した外国語書籍が海外発注になったため年度内に入荷しなかったことと入荷価格が不明だったため。
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