昨年2020年9月に日本F.スコット・フィッツジェラルド協会で行った基調発表の記録「“ Absolution” とThe Great Gatsby」を『フィッツジェラルド研究』第4号(2021年、pp.11-27)に掲載した。昨年の発表と同様だが、フィッツジェラルドの代表作The Great Gatsbyから割愛された、彼のなかでも最も宗教的な著作である“Absolution” とThe Great Gatsbyとの関係を論じた。“Absolution”の分析とともにThe Great Gatsbyとの関係を論じた。“Absolution”をカトリック教会と神への不信仰の物語と位置づけ、The Great Gatsbyをアメリカン・ドリームというセキュラーな(世俗的な)宗教起源の思想とそれを体現するギャツビーへの信仰の物語と結論づけた。 また、学会シンポジウム「英米文学とスポーツ」(サウンディングズ英語英米文学会第73回研究発表会、2021年5月15日、オンライン)に招待されて発表した。個人タイトルは、「F・スコット・フィッツジェラルドとスポーツ――The Great Gatsbyを中心として」である。The Great Gatsbyで最高潮に達するアメリカン・ドリームという夢の理念が、近代オリンピックの理念と同様であることを指摘するとともに、フィッツジェラルドのその後の作品がそういった理念を喪失していくことを跡付けた。また、その発表記録を『Soundings』、第47号(2021年12月、pp.1-10)に掲載した。
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