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2021 年度 研究成果報告書

F・スコット・フィッツジェラルドの長編小説における近代化および世俗化の研究

研究課題

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研究課題/領域番号 17K02541
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関信州大学

研究代表者

杉野 健太郎  信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (40216320)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードフィッツジェラルド / 近代化 / カトリシズム / 世俗化 / アメリカン・ドリーム / 人権 / 近代オリンピック
研究成果の概要

デビュー作『楽園のこちら側』の「すべての神は死に、すべての戦争は戦われ、そして人間への信頼はすべて揺らいでいる(中略)心に神はいなかった」という「失われた世代のマニフェスト」は「罪の赦し」(1924)というカトリック教会からの離脱物語まで続く。しかし、翌年の代表作『グレート・ギャツビー』(1925)で私がモダンな信仰と呼ぶような近代的信仰が成立する。モダンな信仰とは、近代的の啓蒙思想の流れにあり、アメリカのポジティヴな思想などとも通底する世界と自己に関する楽観的信仰であり、現在もよりどころとされる人権思想とも深く関わっている。しかし、その信仰も次作『夜はやさし』(1934)では失われてしまう。

自由記述の分野

アメリカ文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

F・スコット・フィッツジェラルドと言えば、ジャズ・エイジの寵児などと呼ばれ1920年代から続く大衆消費社会を代表する作家と一般には思われているであろう。しかし、彼はカトリックの家庭で育ち、作品にはカトリシズムの棄教ならびにキリスト教の近代化ならびに世俗化が刻印されている。「失われた世代」の代表作である最初の長編小説『楽園のこちら側』(1920)から始めたフィッツジェラルドは、代表作『グレート・ギャツビー』ではモダンな信仰とでも呼ぶべきものが確立されるが、やがてそれも失われ完全に世俗化し喪失されてしまう。

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公開日: 2023-01-30  

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