• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

家と自己:ゴシックと犯罪小説研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02546
研究機関奈良女子大学

研究代表者

中川 千帆  奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70452026)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード女性 / 家 / 少女探偵 / Nancy Drew / Judy Bolton / 地下室
研究実績の概要

本課題の最終年である2021年度は女性を主要人物とする作品、特にAgatha ChristieとAnna Katharine Green作品を取り扱うことを予定していた。しかし、発表を予定していた海外の学会が中止されたこと、また発表依頼を受けた学会の分野に合わせる目的から、予定を変更して実施した。従って、基本的な犯罪小説に関する研究書を揃えた上で、Anna Katharine Green作品の研究、そして少女探偵Nancy DrewシリーズとJudy Boltonシリーズを取り上げた。同時に日本の犯罪小説における「館」の概念の発展を英米犯罪小説の歴史を踏まえて議論する論考も執筆したが、本題から外れるためここでは述べない。
Anna Katharine Greenの作品研究では、家を特に中心に据えた作品に注目した。Greenの夫が家具職人でもあったことから特にアメリカにおけるArts and Crafts運動に注目すると同時に、アメリカの建築史やインテリアの概念にも留意して、彼女の作品中に描かれる家がどのように歴史文化的文脈に置くことができるのかを議論した。本研究は関西アメリカ文学会の例会において発表した。
後半には、推理小説の黄金時代に誕生しながらも、児童小説という枠組みの中でしか議論されてこなかったNancy DrewシリーズとJudy Boltonシリーズを取り上げ、少女探偵と頻出する家のテーマ、特に屋根裏部屋の意味について研究を行った。少女探偵物語においてゴシック的テーマが頻出し、屋根裏部屋や地下室という場所が探索されることには、少女たちの家や社会との関係や願望を描き出していると指摘した。少女探偵シリーズを取り上げることは当初の計画になかったが、研究を進めるうちに本題と深く関わることを知り、取り上げることにしたものである。本論考は、大学の紀要に発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The Girl Detective in the Attic: Domestic Space in the Nancy Drew Series and the Judy Bolton Series2021

    • 著者名/発表者名
      Chiho Nakagawa
    • 雑誌名

      欧米言語文化研究

      巻: 9 ページ: 21-36

  • [学会発表] 家を読み解く―Anna Katharine Greenの"domestic detective fiction"ー2021

    • 著者名/発表者名
      中川千帆
    • 学会等名
      関西アメリカ文学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi