研究課題/領域番号 |
17K02548
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大地 真介 広島大学, 文学研究科, 教授 (50330650)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アメリカ文学 / ウィリアム・フォークナー / コーマック・マッカーシー / アメリカ南部 |
研究実績の概要 |
筆者は、本科学研究費助成により、アメリカ南部文学で双璧をなすウィリアム・フォークナーとコーマック・マッカーシーの研究をしているが、令和元年度 は、一昨年度に出版した筆者の単著の研究書『ウィリアム・フォークナーのヨクナパトーファ小説――人種・階級・ジェンダーの境界のゆらぎ』 が、まず4月には日本ウィリアム・フォークナー協会の学術雑誌『フォークナー』の書評において、12月には日本英文学会の学会誌『英文学研究』の書評において絶賛された。 8月にはイギリスのオックスフォード大学で開催された学会10th Academic International Conference on Social Sciences and Humanitiesにおいて、"The Development of the Literature of the American South: From William Faulkner to Cormac McCarthy"というタイトルで、フォークナーとマッカーシーを比較検証する口頭発表をした。 10月には諏訪部浩一東京大学准教授の編集による『フォークナーと日本文学』が松柏社から出版されたが、同書に収められた拙論において、フォークナーと横溝正史を比較することによって日本とアメリカ南部に共通する特質をあぶりだした。 また、同月、フィリップ・K・ディックの作品における人種問題を分析した拙論(フォークナーにも言及)を掲載した、杉野健太郎信州大学教授、諏訪部浩一東京大学准教授、山口和彦上智大学教授および筆者で共同編集した『アメリカ文学と映画』を三修社から出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
発表した論文は、交付申請書で予定した数よりも多く、なおかつ、交付申請書にはなかった共著の研究書と共編著の研究書を出版した。 また、筆者の著書が多くの学会で高評価で書評されるなど質的にも優れた研究成果を出している。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度においては、まず、マッカーシーの国境三部作の第二部The Crossingについての論文を執筆している。その論文をスペインで開催される学会で口頭発表することが決定している(ただし新型コロナウィルスの影響で中止になる可能性もあり)。その論文を国内外の主要な学術雑誌に投稿する予定である。9月には、日本ウィリアム・フォークナー協会全国大会シンポジウムで司会と発表を担当する。その発表論文は令和3年4月出版の同協会学会誌『フォークナー』に掲載される。また、9月にミネルヴァ書房から出版される竹内理矢明治大学准教授編集の『アメリカ文学をひらく――新たな文学史にむけて』においてコーマック・マッカーシーの項目を担当する。
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