研究課題/領域番号 |
17K02551
|
研究機関 | 学習院女子大学 |
研究代表者 |
佐久間 みかよ 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (00327181)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | エマソン / 孤立主義 / レトリック / トウェイン / メルヴィル / マニフェスト・デスティニー / マーガレット・フラー / ホーソーン |
研究実績の概要 |
2018年度は、学会発表2件(PAMLA学会、NeMLA学会)論文3本をまとめることができ、うち学会誌に1本(マーク・トウェイン協会)、共著(小鳥遊書房)の単行本に2本がそれぞれ2019年度に掲載される予定である。また、海外からの研究者招聘としてUCLA教授マイケル・J・コラカチオ氏を迎え、代表をつとめる初期アメリカ学会での研究会が開催できた。 研究課題である孤立主義のレトリックの伝播に関しては、コラカチオ教授のレクチャーでは、ジョン・ウィンスロップの2つの論考「キリスト教徒の慈愛の雛形」と、後期の「リトル・スピーチ」における共同体の体制に関する変化をレトリックを吟味して捉える考え方が参考になった。これに関連し、エマソンの講演の変化をたどり、とりわけ、西部体験による変化をPAMLA学会で発表を行った。この際、貞廣真紀准教授のシアトリカティを考察するセッションで、宇沢美子教授と同じセッションを組め、異人種表象について意見交換を行えた。また、作家が思想をどのように伝えるかという点でのジャーナリズムとの関係については、メルヴィルとトウェインのハワイに関する記述を比較し、19世紀中頃以降アメリカ合衆国が外交的孤立主義から西へと発展し、さらには太平洋へと視線を向けていく過程での作家たちの反応を論文にまとめ、マーク・トウェイン協会の学会誌に掲載予定である。さらに小倉いずみ教授の社会的正義をクロスセクショナルに捉えるセッションで発表を行い、エマソンの周辺の動きとして、ホーソーン、マーガレット・フラーの共同体の捉え方についての発表を行った。本年は、作家とジャーナリズムの関係、それぞれのサークルの特徴についての考察を深め、論文をまとめることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は2回の米国での学会発表をし、アメリカン・キャラクターの要素について学会発表を通じて意見の交換が行えた。また、海外からUCLA教授マイケル・コラカチオ氏を講師に迎え、研究会を開催した。アメリカン・レトリックについて議論ができ有意義であった。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究を単著として原稿をまとめられたため、本課題との関連を検討する予定である。その際、孤立主義のレトリックの意味がどのように変容したか、比較文学的に考察することををめざしている。
|