南北戦争以後の人種隔離および〈分離すれど平等〉原則に関するこれまでの研究は、法学研究及び歴史研究の両方の分野でこれまで盛んに行われてきた。しかしながら、法や裁判所の判決の歴史的作用を踏まえながら、判決文等の法的言説を修辞学的・文学的に議論した研究、あるいは文学テクストを法的言説と関連させて読み解く研究は比較的少ない。本研究は、文学・非文学テクストにおける人種隔離の表象やその正当化の(あるいは反対する)議論に焦点をあて、〈分離すれど平等〉をより広い文化的・歴史的にコンテストに位置付けることで、19世紀末から20世紀初頭の合衆国南部に限定されない人種隔離の重層性を明らかにすることができた。
|