研究課題/領域番号 |
17K02558
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
冨田 爽子 拓殖大学, 付置研究所, 研究員 (30197925)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 英国ルネッサンス / イタリア / エドワード6世時代 / 印刷・出版業者 / プロテスタンティズム / スティーヴン・ミールドマン / カテキズム / 文化受容 |
研究実績の概要 |
エリザベス朝文学の研究において、イタリアの影響を考えることは大きな意義がある。しかしエリザベス以前のエドワード時代には、英国はイタリアの影響があまりなかったとされている。果たしてそうであろうか?本研究は、その真偽を考察する。 エドワード時代とは、英国にプロテスタンティズムの風が吹き荒れた時代であった。 また、同時に印刷出版が急速に発展し、大量の本が社会に溢れた時代でもある。本に対する価値観が大きく変わり、政府はこれをプロテスタンティズム振興の手段として活用した。この2つの要素が、イタリアの影響の有り様にも色濃く反映している。 エドワード時代のイタリアの影響とは何か?これに対する答えを、この時代に英国で出版されたイタリア本、特に他とは異なる希少価値を持つ1冊に着目して明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はエドワード6世時代に英国で出版された書物について、印刷・出版の観点から考察するため、当時出版されたオリジナルの書物に一冊づつあたって、様々な観点から検討することが必要であるが、コロナ・ウィルスの蔓延のため、英国やイタリアへ渡航することがかなわなかった。取りあえず、電子媒体による調査をしてきたが、本年度渡航が実現できれば、実物にあたって、確認作業をしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今迄の研究成果を昨年10月に日本シェイクスピア協会の学会で発表して、好評をいただくことができた。本年度中にエドワード6世時代についての考察を終わらせ、次のメアリー1世時代の研究に進みたいと考えている。最終目標はTudor 朝全体についてイタリアが英文学にどのような影響を与えたのかを研究したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究遂行のための英国及びイタリアへの出張がコロナ・ウィルス蔓延のため不可能になったため、やむを得ず、研究書やジャーナルなどを使って研究を続行した。次年度には是非、現地に赴いて、残された調査を遂行したいと考えている。もし渡航が困難な場合は、引き続き、研究書などを活用したいと考えている。本研究はTudor 朝全体についての研究の一部であるので、次年度で現地調査が実現できない場合は、先にメアリー1世時代の調査に入りたいと考えている。
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