研究課題/領域番号 |
17K02561
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
齊藤 みどり 都留文科大学, 文学部, 准教授 (30759858)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | カリブ文学 / エコフェミニズム / マリー・ショウブ / ポーリン・メルヴィル / ロンドンの移民研究 / 英語圏文学 / ポストコロニアル文学 / 比較文学 |
研究実績の概要 |
今年度はカリブ文学におけるエコフェミニズムについて二人の作家の作品について重点的に研究し、2回の学会発表と1回の研究会での発表、1週間の資料収集を行った。7月5日(木)から7月10日(火)まで、学会参加のため6日間ロンドンに滞在し、7月4日から7日まで開催されたSociety for Caribbean Studies 42nd Annual Conferenceに出席し、調査した研究結果を5日にReading Haitian Literature from Postcolonial and Ecocritical Perspectivesとして発表し、マリー・ショウブという女性作家の作品を環境批評の観点から論じた。さらに、ロンドン大学の図書館と大英図書館にて調査もした。 8月21日(火)から8月28日(火)には、8日間ほどBritish Libraryにて資料調査をした。また、ロンドンの移民コミュニティを訪問し、インタビューなどを行って録画した。 10月19日(金)から10月23日(火)まで夏休み期間に収集した資料をもとにして、ガイアナ出身でロンドン在住のポーリン・メルヴィルの作品をエコフェミニズムの観点から分析し、その結果をまとめて、ロンドン大学のバークベックカレッジで開催された国際学会、International Conference on Ecocriticism and Environmental Studiesで“Reading Pauline Melville’s The Migration of Ghosts”という題目の発表をした。 最後に、7月5日に発表した原稿を都留文科大学研究紀要第89集にReading Haitian Literature from Postcolonial and Ecocritical Perspectivesとして投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
科研費のおかげでロンドン大学の図書館と大英図書館にて3回も調査のための時間を取ることができた。今年はハイチ文学について調べ、ハイチ出身のマリー・ショウブとエドウィッジ・ダンティカの作品の分析を行い、女性をめぐる社会的、政治的な背景についても調査をする予定であったが、当初の予定通りに調査は完了し、国際学会であるSociety for Caribbean Studies 42nd Annual Conferenceでその成果が発表できた。さらにそれをまとめて発表する予定だった都留文科大学研究紀要第89集にも、研究結果をReading Haitian Literature from Postcolonial and Ecocritical Perspectivesとしてまとめることができた。 さらに次年度に調査する予定であったポーリン・メルヴィルの作品についても調査を進め、国際学会であるInternational Conference on Ecocriticism and Environmental Studiesで発表することができた。 学会発表などが刺激となって、世界各国の研究仲間と歓談することもできて、大変に有意義な時間を過ごすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の計画としては、ポーリン・メルヴィルとジャメイカ・キンケイドの作品を読み、自然観とジェンダーを軸に作品分析を行う。最終年度として、カリブ女性作家によるナラティブから、ポストコロニアル批評や環境批評に貢献できる視座を見定め、分析した結果を整理する。今年度と同じように学会でその成果を発表し、論文を提出する。
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