研究課題
基盤研究(C)
モニュメントと小説という異なる媒体を通しての「慰安婦」の記憶の再構築の在り方を、特にポストメモリーという視点から考察する予定でいたが、グラフィックノベルや映画にまで研究対象を広げることができた。また、「慰安婦」像と日系アメリカ人強制収容の記念碑の比較分析を行うことで、同一媒体による異なる記憶の再現過程での記憶の抑圧・隠蔽についての考察を進めることができた。
人文学
文化的産物に表象された記憶のみならず不可視化された記憶を探ることは、その文化的産物や歴史・社会的背景の考察に不可欠である。近年、「慰安婦」像だけでなく、様々な記念碑の設置や撤去をめぐる論争が起こっている中、本研究は、学術的探究に留まらず、現代社会において我々がいかに歴史を認識していくべきかを示唆する役割を果たしていると思われる。