研究課題/領域番号 |
17K02566
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
戸田 由紀子 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40367636)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 現代カナダ文学 / マイノリティ文学 / キム・チュイ / 笑いの手法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、21 世紀転換期以降のカナダマイノリティ文学における「笑い」の手法とそのポリティクスを明らかにすることである。カナダ文学において従来「笑い」が白人の領域とされてきたことは、カナダの最も面白い文学作品に与えられる文学賞 Stephen Leacock Memorial Medal for Humour の受賞作家がほぼ全員白人作家であることを鑑みると明らかである。しかしビジブル・マイノリティおよびファースト・ネーションズの文学において、「笑い」の手法が用いられてこなかったわけではない。先住民作家 Hayden Taylor も、「笑い」は先住民文化および文学の重要な要素である(Hayden 2005)と指摘している。当該年度は、白人文学における「笑い」の手法と、非白人文学における「笑い」の手法とを比較考察するために、白人主流作家マーガレット・アトウッドの作品に見られる「笑い」の手法についての考察を行った。研究成果は、日本カナダ文学会第37回年次研究大会にて、「マーガレット・アトウッドの“Wicked Tales”:『老い』と『死』と『ぞっとする笑い』」と題して発表した。また、2019年6月25日にはベトナム系カナダ作家キム・チュイを勤務校に招き、「難民として海を渡って-キム・チュイの世界」と題して、学生及び一般に公開した国際公開講座を企画・開催した。その際、キム・チュイの作品における「笑い」の手法について意見交換を行い、研究成果は、"Life is 'Tragic and Comic at the Same Time': Kim Thuy and Her World"と題して、『椙山女学園大学研究論集』第51号に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、当初予定していた作品以外の作品を分析対象として加えたため、本研究を行うための時間が予定よりも多く必要となった。また、当初予定していた国際学会での発表および論文執筆を行うことができなかったため、一部の研究を次年度に行うことにした。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度は、2020年8月に開催される国際学会にてZarqa Nawazの作品における笑いの手法の研究を発表する。またそれを、これまで行ってきた21世紀転換期以降のマイノリティ文学における笑いの手法とその政治的戦略を踏まえて考察し、その研究成果を学術誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
勤務校にて役職業務にあたっていたため、当該年度の国際学会での発表及び研究調査を次年度に行うこととしたため。
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