研究実績の概要 |
2017年度は、1編の論文、1冊の共著本、2件の海外報告を行った。『ヘミングウェイ研究』第18号に寄稿した論文「クロスメディア・ヘミングウェイ―ニューズリール、ギリシア・トルコ戦争、「スミルナの桟橋にて」―」では、第一次世界大戦の政治的「後産」、ギリシア・トルコ戦争期のクロスメディア的状況に関して、ニューズリール、ジャーナル、ヘミングウェイの短編小説を軸に文化と政治の交差を論じた。また、『路と異界の英語圏文学』(大阪教育図書)に寄稿した論文「イメージの異境―『パリ、テキサス』とアメリカ的風景の変容―」では、アメリカニズムと風景との関連、そしてその意味の変容を論じた。 学会報告としては、筑波アメリカ文学会主催の国際シンポジウムHemingway in the 21st Century: A Symposiumにおいて、 報告“Smyrna Revisited: Hemingway and Cross-Media in the 1920s”を行った。ギリシア・トルコ戦争と1920年代の政治文化に注目し、時代とメディアとの複層的な関係を論じた。また、ディエゴ・ポルタレス大学(サンチアゴ)で開催された国際学会Knowledge/Culture/Ecologies International Conferenceにも参加した。核の風景と映画にフォーカスするパネルCinema and Catastrophe: Re-thinking Nuclear and Landscapeにおいて、報告“Danchi, Emperor, Terrorism: Nuclear Landscape in the Japanese Films”を行った。1960年代、高度経済成長時代の日本における団地表象と天皇、核テロリズムの関連について論じた。
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