研究課題/領域番号 |
17K02572
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
塚田 幸光 関西学院大学, 法学部, 教授 (40513908)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クロスメディア / アメリカ / 映画 / 表象文化 / 政治文化 / ヘミングウェイ / ニューディール / スタインベック |
研究実績の概要 |
本年度の研究成果は、3冊の書籍と1編の論文、2回の海外報告と1回の国内シンポジウムである。『アメリカン・モダニズムと大衆文学』(金星堂)には、論文「「大衆」とフォト・テクスト」を寄稿した。ニューディール時代の文化生成、特にドキュメンタリーとの関係性を論じた。また、『スタインベックとともに 没後五十年記念論集』(大阪教育図書)には、論文「ドキュメンタリー・アメリカ」を寄稿した。ここではFSA写真プロジェクトとスタインベック『怒りのぶどう』のコンテクストを考察した。 塚田幸光編『映画とジェンダー/エスニシティ』(ミネルヴァ書房)では、編者としての作業に加え、論文「ハイブリッド・エスニシティ―エドワード・ズウィック『マーシャル・ロー』と文化翻訳の可能性―」を寄稿した。9.11後のアメリカとテロリズム表象、そして映画的「公正さ」とは何かについて、「文化翻訳」をキーワードに考察した。学会誌『フォークナー』に寄稿した論文「『ライフ』・ナショナリスティック」は、ヘミングウェイと「南部」の結節点をスペイン内戦から逆照射する試みである。 パリで開催されたヘミングウェイ会議では報告“Framing/Filming Hemingway: Wartime Politics in To Have and Have Not”、ケープジラードで開催されたフォークナー/マルケス会議では報告“Invisible Ethnicity: Faulkner and Garcia Marquez’s Mexican Connections”を行った。最後に、アメリカ文学会ワークショップ「Steinbeckとアメリカ民衆文化の想像力―没後50年Steinbeck研究の現状と課題」において、スタインベックとクロスメディアの交差に関する報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上に研究が進展している理由として、ヘミングウェイとモダニズム関連の資料収集とその整理が順調であった点が大きい。その成果は、各論文(共著本に寄稿した論文)として結実している。加えて、それらは、単著『クロスメディア・ヘミングウェイ』と単著『シネマティック・ボディ』を構成する章として本に組み込まれるので、出版の準備を前倒しにできた。資料収集の効率化と学会での報告の相乗効果は、上記の2冊以外の出版計画にもいい影響を与え、スケジュールを早めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、単著『クロスメディア・ヘミングウェイ』、単著『シネマティック・ボディ』、単著『核シネマ』、編著『メディアと帝国』の4冊の出版を行い、成果を出す。また、国際学会や国際研究にも積極的に参加し、国内の成果をさらに意義あるものにする。
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