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2019 年度 研究成果報告書

アイルランド語文献と居住空間から考察するアングロ・アイリッシュの文化的位置と貢献

研究課題

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研究課題/領域番号 17K02573
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関甲南女子大学

研究代表者

谷川 冬二  甲南女子大学, 国際学部, 教授 (50163621)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードAnglo-Irish / Sean-Ghall / Nua-Ghall / the Irish language / drawing room / Irish Literary Revival / William B. Yeats / John M. Synge
研究成果の概要

1916年の復活祭蜂起を最大の契機とし、それ以降も1966年の蜂起50周年まで、アイルランド島の南26県はカトリック教会とアイルランド語を重要視する政策を取ってきた。その根底にあるケルト民族主義が、いわゆる紛争を経験して見直され、対立すると見られてきたブリテン島からの移入文化の担い手もイングランドの宗教改革以前のSean-Ghallと以後のNua-Ghallとに大別されるようになる。
後者は長く被支配的立場の人々の怨嗟の的だったが、その私宅内の社会的空間であるdrawing roomがビクトリア期の新興カトリック中流層の住宅に継承された結果、そこが両者の生活様式共有と文化混交の場となりえた。

自由記述の分野

アイルランド文学、英語文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

異人とされてきたAnglo-IrishをSean-Ghall、Nua-Ghallとに二大別したこれまでの研究を継いで、プロテスタントである後者が社会的活動の基盤としたdrawing roomが、19世紀後半以降興隆するカトリックの下層中流市民の私宅に受け継がれて、両者の交流を可能にする共通の生活様式が育まれた、と考える。
時系列で歴史的にアイルランドの精神史を考えるのではなく、空間的共時的に、みな生活様式を同じくしていたのではないかと疑えば、近代アイルランドの知識人の意識に、これまで看過されてきた相似性を見出しうるのではないか。通時的な国民史のこのような見直しは、わが国にも適用できるだろう。

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公開日: 2021-02-19  

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