研究課題/領域番号 |
17K02575
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
古村 敏明 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (90632571)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アメリカ現代詩 / エレジー / 喪失の理論化 / 慰めと共感 / 精神分析アプローチ |
研究実績の概要 |
初年度は、(1)著書原稿及び派生課題の論文の執筆、(2)アーカイブ調査、(3)著書のプロポーザルの作成、(4)学会においての研究発表、及び(5)そのフィードバックを通しての構想チェックをした。執筆活動はほぼ目標どおりに進行中である。著書原稿の第二章、第三章、第四章の revision は予定どおりに進行した。派生課題の論文(題名:Theorizing Elegiac Consolation as a Transitional Object: the Arab Dream in William Wordsworth’s The Prelude)は、論文が査読審査をとおり、European Romantic Review に掲載される(出版日は現在未定)。この論文では、本課題で使用されている理論の応用からエレジーにおける新しい「慰め」の萌芽について書いているが、査読学術誌での採用は理論フレームの有効性を裏付けると言える。アーカイブ調査に関しては、2017年夏期休講期間に、University of Washington で Theodore Roethke アーカイブ、University of Michigan で Marge Piercy アーカイブをを訪れた。Smith College の Sylvia Plath アーカイブは改装中でアクセスできない様子だったので、本年度は中西部のみの訪問とし、北東部(Plath と Bishop)の訪問は来年度にする予定である。著書プロポーザルは雛形が完成したので、あとは各出版社に向けて tailor することになる。2017年11月のPacific Ancient and Modern Language Association (PAMLA) で研究発表者及びパネルオーガナイザーを務めた。これにより、自身の現段階の構想チェック及び様々なアイディアを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に支障なく研究は進んでいる。Smith College の Sylvia Plath アーカイブは改装中でアクセスできない様子だったので、本年度は中西部のみの訪問とし、北東部(Plath と Bishop)の訪問は来年度にする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、出版社への Proposal 提出、フィードバックを受けながら必要性が生じるアーカイブ調査、所属学会における関連研究発表、そして、年度終了までに最終原稿までたどりつくことが目標となる。春期は引き続き原稿の修正、資料の再確認が予定される。夏期にアーカイブ調査で、前年度に調査できなかった資料の収集、もしくは加筆修正に当たって必要になる資料の収集を行う。秋期は夏期に収集した資料をもとに原稿の加筆修正をする。冬期は2019年の MLA もしくは ACLA で関連研究発表をする。年度終了までに最終原稿の提出をすることが目標になる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に予定されていたアーカイブ調査の一部が、当該大学の図書館の改装などでできなかった。その予算が余ったかたちになったが、平成30年度のアーカイブ調査旅費として使用する予定である。
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