現代アメリカ文学におけるポスト・ディザスターの修辞学を定位するために、主に(1)ジェイ・マキナニー『グッド・ライフ』と同時多発テロの問題(2)ボビー・アン・メイスン『アトミック・ロマンス』における冷戦ノスタルジアと南部原発表象(3)ティム・オブライエンのベトナム小説群(4)原子力をモチーフにした冷戦期モンスター映画『マタンゴ』を分析した。その研究成果として、(1)ツインタワーの「対」のモチーフから導かれた南北統一以降のアメリカに対する内省的眼差し(2)戦争文学と災害文学の共振(3)「戦後」という時代の持続性(4)日米文化に通底する核の想像力と冷戦サバイバル等を明らかにすることができた。
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