本研究計画では、近代フランスにおける出版メディアの中でも、とりわけ観光に関する言説に注目し、楽しみという概念から定義できる観光がいかに現代の観光に発展していったのかをたどることを目的とした。その際に、観光の考え方の視点がどのように形成されていったのかを旅に関するテキストから読み解き、旅の持つ観光的要素が旅に対する言説をいかに変容させたのかに迫った。 研究では、近代にいたるまで、観光の概念の変容に寄与した文学者のテキストの成立過程について言及し、また、旅の物語がフィクション形式で、具体的な視点を獲得する契機となる作品についても分析を行った。
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