研究課題/領域番号 |
17K02607
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
大鐘 敦子 関東学院大学, 法学部, 教授 (50350541)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | フローベール / 草稿研究 / 初期作品 / ファム・ファタル / ファタリテ |
研究実績の概要 |
初年度である本年度は、「ファム・ファタル」と「ファタリテ」の表象に関して、フローベールの「初期作品群」が果たした役割を研究した。草稿研究に関しては、多くの草稿群がどのような状態でフランス国立図書館に保存されているか調査・確認を開始し、多くの小作品群について、今後の転記の方向を検討した。 初期作品の一つとみなされることもある初稿「聖アントワーヌの誘惑」に関しても調査を実施した。 また、フローベール保存図書室(ルーアン)では、フローベールによる「キケロのノート」の中でも取りわけ、De Natura Deorumと草稿との比較調査を実施し、ルーアン大学研究所のSite Flaubertに発表した。 12月にはフローベールのL'Education sentimentaleに関する国際会議(ソルボンヌ大学)およびフランス国立科学研究所のゾラ研究所によるセミナーに参加し、研究者たちとのファム・ファタルおよび草稿研究に関する情報交換と議論に努めた。また3月に、フローベールのファム・ファタルを代表する作品「ヘロディアス」にインスピレーションを受けた、歴史上一世紀に一度しか上演されないマスネのオペラ「エロディアード」がマルセイユで上演された。ファム・ファタル研究の泰斗、Dottin-Orsini女史と鑑賞後、台本・演出に関する意見交換をするとともに、パリではSERD(フランスロマン主義文学会)の国際会議で、ロイ・フラーおよび象徴主義のダンスへ男性的視線の役割と照明の役割に関して発言した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年はフローベール「ボヴァリー夫人」校訂者であるベム女史の招聘を実施したことから、転記作業は少し遅れたものの、実施方法や転記箇所等について、発表についての問題も解決できたので、継続してゆく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ファム・ファタルおよびファタリテに関する作品を中心にフランス国立図書館での転記作業と分析を進めていくが、今年の出張ではフランス国立図書館および国立科学研究所フローベール資料室で資料を渉猟する予定である。また出張では、フローベール青年期の資料をどのように位置付けるかを検討するとともに、初期作品群について研究者たちにインタヴューする。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画どおりに使用した。
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