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2020 年度 実施状況報告書

博愛原理の再検討:愛他精神に潜む暴力性をメタファ複合の観点から乗り越える一試み

研究課題

研究課題/領域番号 17K02609
研究機関関西学院大学

研究代表者

浅野 淳博  関西学院大学, 神学部, 教授 (20409139)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードイザヤ書 / マカバイ殉教者 / 神の国運動 / 原始教会 / パウロ神学
研究実績の概要

2020年度前半は、ユダヤ教伝統のStellvertretung(他者のための代理/代表)という概念について研究を進めた。その対象となる文献として、ヘブライ語聖典のイザヤ書とギリシャ語聖典のマカバイ諸書を詳細に分析した。2020年度後半は、上の成果をもとにして、原始教会がこの概念をいかに継承したか、あるいは継承しなかったかに関する考察を進めた。2019年度にローマ市で収集したカタコンベの資料をもとに2020年度後半に研究論文をまとめた。その内容は、2021年度の国内での研究会で発表することが決定している。2020年度に国際学会において決まっていた研究発表は、コロナ感染状況の悪化のために中止した。これはなるべく早い段階に再度発表することが希望される。2020年度後半から、本研究の成果物である著書の執筆を開始した。本研究はコロナ禍で十分に進めることができなかった部分を補うために1年延長したが、5年目の2021年度の終わりには、この成果物を公刊できることと期待している。以下が2020年度の内に執筆を終えている、9章中の4章の内容である。すなわち、第一章:(イザヤ書)第4の僕の詩/第二章:マカバイ殉教者の物語/第三章:(イエスの)神の国の大義/第四章:原始教会の伝承である。執筆はその後も順調に進んでいるので、2021年度の終わりには成果を公表することができると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度の終わりからコロナ感染のために海外での調査が行えないままでいる。1年経った現在でも日本での感染状況が変わっておらず(むしろ悪化する中で)、海外での調査が行えるかどうかが不明な状況である。したがって、まず研究期間を一年延長し、さらにこれまでのところで収集することができた海外の資料をもとにして、成果物の執筆を前に進めるという計画に変更した。海外調査が足りない部分は、デジタルデータを取り寄せるなどで補い、さらに国内での研究によってそれを補足するという仕方で、最終的な成果物を公表する予定でいる。

今後の研究の推進方策

2021年度はほぼ全ての時間を成果物である著書の執筆に費やす予定である。2020年度終了の段階で約40%の執筆が終了したので、残りの部分の執筆と推敲を行うことで、2021年度の終わりには公刊が可能だと考えている。9月に予定されている日本聖書学研究所例会のオンライン例会で、ローマのユダヤ教カタコンベとパウロのローマ書との関係性について発表することになっている。この内容をも含めて、成果物が完成することと期待される。

次年度使用額が生じた理由

本来は2020年度で研究期間が終了するはずであったが、コロナ禍で研究が計画どおりに進まず、2021年度に延長することに決めた。その際に、2020年度までに実行できなかった海外調査のための予算を2021年度に繰り越した。2021年度はもし可能であれば繰り越した予算で海外調査を行いたいと考えている。

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公開日: 2021-12-27  

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