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2022 年度 実施状況報告書

プルーストのテクストにおける引用

研究課題

研究課題/領域番号 17K02611
研究機関明治大学

研究代表者

松原 陽子  明治大学, 商学部, 専任教授 (10610371)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2024-03-31
キーワードプルースト / 失われた時を求めて / ステンドグラス / 幻灯 / 生成過程
研究実績の概要

研究課題について学術論文「プルーストの作品におけるステンドグラスのイメージ─幻灯からステンドグラスへ─」を執筆した。本論では、プルーストの作品における教会のステンドグラスの描写を分析し、そのイメージが小説の主題や結構といかなる関連を持つのか考察した。この分析を進めるうえで、小説の生成過程を確認しながら、『失われた時を求めて』の先行作品における描写をたどり、分析を進めた。
『失われた時を求めて』で幻灯に映し出されるイメージがステンドグラスのそれに重ねられていることを踏まえ、幻灯のイメージを分析することからはじめた。『失われた時を求めて』の草稿とこの小説に先行する『ジャン・サントゥイユ』における幻灯の場面から『失われた時を求めて』の最終稿に至るまでの変遷を追った。
指摘されているように、『失われた時を求めて』における幻灯の場面で描かれるゴロの騎行は、プルーストの創作である。本論では、この描写が『青髭』や『ジュヌヴィエーヴ・ド・ブラバン』ではなく、『聖ジュリアン伝』における登場人物の騎行の場面をもとに描かれたものであると考えられることを指摘した。
じじつ、小説の草稿ですでに幻灯はステンドグラスの比喩を用いて描かれており、コンブレーの教会のステンドグラスに使われる「黒い巨大な」という表現は『聖ジュリアン伝』に登場する鹿を形容するものであったことが指摘されている。この作品で見られる色彩は、『失われた時を求めて』の草稿におけるステンドグラスの描写でも用いられている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していた出張などができなかったため。

今後の研究の推進方策

作品の分析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していた出張などができなかったため。
文献学的研究を深化させるため、資料調査を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] プルーストの作品におけるステンドグラスのイメージ─幻灯からステンドグラスへ─2023

    • 著者名/発表者名
      松原陽子
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院文学研究科紀要 第68輯

      巻: 68 ページ: 239‐252

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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