研究課題/領域番号 |
17K02612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大野 斉子 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (00611956)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ロシア文学 / 19世紀 / ウクライナ / ゴーゴリ / アイデンティティ / 歴史観 / 植民地 |
研究成果の概要 |
ロシア帝国における属領出身のウクライナ人作家という境界的な視座から、ゴーゴリ作品を読み返すことで、ゴーゴリ研究に帝国・植民地論を導入した。特にゴーゴリのアイデンティティに注目し、それを歴史認識や文学・文化の系譜という知の枠組みの観点から再構築することを試みた。 結果として当該地域における民族観の歴史的変遷を明らかにし、ゴーゴリ作品の複層性、親ロ的知識人としての意識構造、シェフチェンコ文学との比較から把握される階層の問題という論点を提示した。
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自由記述の分野 |
ロシア文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロシア・ウクライナの文学・文化領域において近年展開されてきた帝国論やウクライナの文学研究の成果をとりいれるとともに、ゴーゴリの歴史認識とその民族的アイデンティティの構築における役割を、ゴーゴリ文学を読み解く新たな論点として提示したことに学術的意義がある。また、社会的意義としては、文化領域におけるウクライナとロシアの関係について新たな知見を社会に還元するとともに、ネーションの枠組みを相対化する議論への貢献を行ったことが挙げられる。
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