研究課題
基盤研究(C)
本研究は、ヨハネ福音書におけるイエスと弟子たちの師弟の絆が、ヘレニズム世界の師弟の絆をモデルとして描き出されていることを明らかしたものである。すわなち、イエスと弟子たちの間の愛を描くために、ヨハネ福音書の著者はホモエロティシズムとホモソーシャリティの双方を体現するギリシャ哲学者の師弟間の愛をモティーフとして用いているということである。
新約聖書学
本研究の学術的意義はクィア理論とホモソーシャリティ理論の双方を用いた最初の新約聖書学の分野の研究として位置づけられ、この新たな観点から新約聖書テクストの解釈を試みたことにある。また、本研究の社会的意義はLGBTQIAP+の人権の問題が、国際社会のみならず、日本社会においても、喫緊の大きな課題になっている現状において、聖書やキリスト教のLGBTQIAP+に対する差別の問題を明らかにし、21世紀の人権の課題に資することにある。