本研究では、幽霊の存在や心霊現象の実在を信じ、人間の精神活動の死後における発展可能性を探求した、19世紀末から20世紀初頭にかけて心霊主義者たちの思想について、夢遊状態と二重人格という観点から、人間の魂や霊がどのように考えられていたかを考察した。 とくに、哲学的な背景から、心霊主義ブームの代表者として活躍した、カール・デュ・プレルについては、雑誌・書籍など数多くの著作や書簡からその活動の全容を明らかにすることを試みた。さらに、デュ・プレルの思想が、明治時代の日本そして、現代ドイツ文学のモチーフへと影響力を持ち続けていることを明らかにすることができた。
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