植民地における文化活動に関して、それが当地の人々にとって自然な活動であるのか、それとも強制的にゆがめられたものなのか、それを知る為に、植民地化以前の中国東北地方の文化活動について研究を進めた。具体的には2つの方法を採った。一つは、東北地方で生まれ育った人々の文学作品を分析、考察した。もう一つは、東北地方の植民地化に深く関わった日本人の文化活動の様相を観察した。そこから、まず清朝末期の中国東北地方では、我々が想像するよりも、より頻繁に中国本土との文化的交流があったことが明らかになった。また、日清・日露両戦役を境に、現実の中国に対する日本人の見方が大きく変化したことも分かった。
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