研究課題/領域番号 |
17K02680
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐久間 淳一 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (60260585)
|
研究分担者 |
入江 浩司 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40313621)
當野 能之 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (50587855)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 不定人称文 / パラレル・コーパス / フィンランド語 / アイスランド語 / スウェーデン語 / リトアニア語 / ロシア語 |
研究実績の概要 |
本年度は、本研究課題で作成した『星の王子さま』のパラレル・コーパス及びその他の各種コーパスを用いて行ってきたバルト海周辺諸語における不定人称文の対照研究の分析結果について、その妥当性を検証するため、海外現地調査を行う予定であった。この現地調査は、本来2019年度に予定されていたものだが、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大の影響で2019年度中には実施できず、やむなく2020年度に持ち越したものの、2020年度も実施することができなかった。そのため、2021年度中の実施を期して、さらに補助事業期間を1年延長したところではあったが、新型コロナウィルス感染症の影響が予想外に長引き、結局、本年度も現地調査の実施には至らなかった。オンライン上で各言語の専門家と意見交換を行うなどの代替措置は講じたものの、現地調査で予定していた調査のすべてを代替することはできず、幸い2022年度まで本研究課題の延長が認められたため、現地調査は2022年度に持ち越すこととした。 本年度も、研究代表者、研究分担者、研究協力者による定期的な研究打ち合わせをオンラインで行ったほか、随時、メール等で情報共有を図った。また、本年度の新規の取組として、分析の対象となる言語データの一層の拡充を図るため、『星の王子さま』に加えて、『ハリー・ポッターと賢者の石』のパラレル・コーパスを作成した。個々の言語についても、例えば、アイスランド語で常に3人称単数形で用いられ、同一節内の名詞句と一致をしない非人称動詞のうち、対格項をとる動詞について、対格項の意味的特徴と、共起する成分の形態的・意味的特徴に基づく分類を行うなど、本研究課題の最終とりまとめに向けた作業を継続して実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来、本科研費は2019年度で終了する予定であったが、最終盤に予定していた海外調査が新型コロナウィルス感染症の発生により実施できず、そのため、2020年度、2021年度と期間が延長されてきた。しかしながら、2021年度においても、海外渡航を行うことは困難であり、加えて年度末には、調査対象地域の近傍であるウクライナが戦争状態となったため、やむなくもう一年度、補助事業期間を延長することとした。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、本来、2019年度末に行うはずだった海外現地調査を、海外渡航が可能な状況になり次第、早急に行う。また、本研究課題に関連して研究代表者が研究発表を行う予定であった国際学会(国際フィンウゴル学会)も、新型コロナウィルス感染症の影響で開催が延期されていたが、2022年8月に開催される見込みとなったため、同学会での研究発表を行い、海外現地調査の結果や国際学会での発表を受けて、本研究課題による研究成果を最終的に取りまとめる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、2019年度に実施できなかった海外現地調査を行う予定であったが、既に上で述べたように、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大のため実施することができず、2022年度に持ち越すこととなったため。繰り越した予算は、主として海外現地調査のための旅費と、その調査によって得られたデータ等を整理するため大学院生等を雇用する人件費に充当する。新型コロナウィルス感染症の状況もようやく改善の兆しが見え始め、2022年度中に海外現地調査を実施できる見込みは十分にあると考えられる。
|