研究実績の概要 |
主に誤推論を介した欺瞞(DtFI)における言語メッセージ産出および解釈の認知的メカニズム解明(異文化比較を含む)のため、主にデータ収集と理論的モデル構築に取り組んだ。様々な文脈での欺瞞(DtFI)メッセージの観察、収集を目的とし、主に、自然発生的データとして(1)政治家を含めた公人のインタビュー(公開アーカイブ)、(2)広告等の宣伝のメッセージ、(3)日常に観察される対人コミュニケーションを観察・記録した。また、統制データと(4)ElicitationTask法を用いた意図的欺瞞メッセージの収集デザインを構築した。 2020年度は、2019年度に引き続き、主に以下の二つの課題に取り組んだ:(1) DtFI効果検証:理論構築の基盤として、DtFIの様々な類型に関して、その効果(受け取り手の受ける印象)を実験的な手法で観測し、どのようなDtFIメッセージデザインの効果が高いと判断されるか、統計的MessageEffect分析(Jackson, 1992)を用いた分析を行った。(2) 認知メカニズムのモデル化:言語学(語用論)、社会心理学(コミュニケーション学)、進化心理学等の知見を応用し、社会認知語用論(Tomasello, 2010他)という枠組みで、DtFIにおける(誤)推論のメカニズムを明らかにし、これをモデル化した。
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